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第1回全国老人福祉施設大会・研究会議「JSフェスティバル in 栃木」の見どころを徹底解剖!

2022.12 老施協 MONTHLY

大正14年より開催してきた「全国老人福祉施設大会」と昭和62年より開催してきた「全国老人福祉施設研究会議」。
それぞれの目的を継承しつつ統合効果を発揮するものとして、令和 4 年度に「全国老人福祉施設大会・研究会議~ JS フェスティバル~」という新たなイベントとしてスタートを切る。その先鋒となるのは栃木。全国大会 78 回の伝統を引き継ぎ、栃木から新たな一歩が始まる。


第1回全国老人福祉施設大会・研究会議 〜JSフェスティバル in 栃木〜
介護新時代への前進~現場革新と科学的介護の新たなかたち~

開催日

令和5年1月26日(木)、27日(金)
オンデマンド配信:令和5年2月15日(水)~3月31日(金)

開催地

栃木県宇都宮市
(宇都宮駅東口交流拠点施設〔ライトキューブ宇都宮〕ほか)

主催

公益社団法人全国老人福祉施設協議
一般社団法人栃木県老人福祉施設協議会

後援

厚生労働省、栃木県、宇都宮市、社会福祉法人全国社会福祉協議会、社会福祉法人栃木県社会福祉協議会、社会福祉法人宇都宮市社会福祉協議会

 少子高齢化の進展や人口減少が大きな社会問題となって久しいわが国において、新型コロナウイルス感染症が収束する兆しもいまだ見えず、「ウイズコロナ」は我々にとって、既に日常となっている。このような中、全国老施協は、介護や福祉の現場で働く全ての人々の思いを受け止め、適時適切な政策提言を行いながら、豊かな高齢社会の実現に向けて、立ちはだかる諸問題に対応してきた。

 令和4年度においては、次の3点を中心に事業を展開している。

  1. 介護ICT実証モデル事業を推進し、横展開を図ることにより働き方改革を実現する
  2. それぞれの施設・事業所への相談支援等により、経営力の強化を図るとともに介護力向上を実現(認知症利用者のBPSDの発生予防や重度化防止等)する
  3. 養護老人ホーム、軽費老人ホーム、ケアハウスにおける処遇改善や措置費及び事務費の増額に向けた自治体への働き掛けを実現する

 全国老施協の役割は、現場とつながり、現場を支えること。いろいろな職種の方々とのつながりを深めるべく、「全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバル in 栃木~」を開催する。


全体会(1月26日)プログラム紹介

A会場 1F大ホール

※★のついているプログラムはオンデマンド配信対象プログラムとなります

11:00~12:00 開会式典 ★

挨拶、来賓紹介、退任代議員・永年勤続表彰、大会宣言、次期開催県挨拶

12:00~12:30 基調報告 ★

公益社団法人全国老人福祉施設協議会 会長
平石 朗

13:00~13:15 ウェルカムアトラクション

「八木節」 足利市八木節連合会

13:15~13:45 行政報告 ★

厚生労働省

13:45~14:45 特別記念講演

「競技生活を振り返って思うこと」

萩野公介氏

競泳金メダリスト チームブリヂストン・アスリートアンバサダー

萩野公介

1994年8月15日生まれ、栃木県出身。生後6ヶ月から水泳を始める。小学校低学年から学童新を更新し、中学以降も各年代の新記録を樹立。17歳で初出場となった2012年ロンドンオリンピックでは、400m個人メドレーで銅メダルを獲得した。2016年リオデジャネイロオリンピックでは400m個人メドレーで金メダル、200m個人メドレーで銀メダル、4×200mフリーリレーで銅メダルを獲得した。2021年、東京2020オリンピックに出場。その後、引退を表明し、2022年4月からは日本体育大学大学院にて「スポーツ人類学」を研究している

14:50~15:50 シンポジウム ★

「デジタル介護:ロボット・ICTと共存する次世代の高齢者福祉の魅力」

全国老施協事業(全国老施協版 介護ICT導入モデル事業)と国事業(規制改革推進会議・厚労省の実証事業)を展望しながら、介護DXによる現場への最大の効果(生産性・安全性の向上、負担の低減)や現時点での課題、未来への提言について検討します。

厚生労働省 老健局 高齢者支援課
介護業務効率化・生産性向上推進室 室長補佐
介護ロボット開発・普及推進室 室長補佐

東 好宣 氏

公益財団法人テクノエイド協会 企画部 部長
五島清国 氏

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
ロボット・ICT推進委員会 委員長

中山辰巳

株式会社日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門
高齢社会イノベーショングループ 部長

紀伊信之 氏

16:00~17:00 音楽公演

ジャズの街・宇都宮にちなみ、ジャズ演奏を中心とした音楽公演を実施します。

B会場 3F中ホール

13:00~14:30 ディスカッション

「緊急招集!養護・軽費老人ホームの危機的状況の打破を! ~さらなる処遇改善と措置費・事務費の単価アップの実現に向けて~

厚生労働省
調整中

昭和女子大学 人間社会学部 福祉社会学科 教授
北本佳子 氏

越谷市 地域共生部 地域共生推進課 課長
関 泰輔 氏

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
介護保険事業等経営委員会 委員長

桝田和平

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
軽費老人ホーム・ケアハウス部会 副部会長

永原澄弘

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
養護老人ホーム部会 副部会長

林 武

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
養護老人ホーム部会 幹事

平岡 毅

14:35~15:50 ディスカッション

「魅力あるデイサービスと生き残り戦略 ~デイ事業継続等相談支援を通じて~

株式会社TRAPE 代表取締役 鎌田大啓 氏

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
デイサービスセンター部会 部会長
 波潟幸敏

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
デイサービスセンター部会 副部会長
 堤 洋三

デイサービス事業継続相談支援参加事業所(2事業所)
調整中

15:55~16:55「高齢者福祉介護全国サミット」

全国のブロック老施協代表者が集まり、本大会のテーマとなる「介護新時代への前進」について、さまざまな視点や課題から検討していきます。

全国8ブロック老施協 代表者


分科会(1月27日)プログラム紹介

実践研究発表・先駆的特別報告会場

※★のついているプログラムはオンデマンド配信対象プログラムとなります

実践研究発表(AM・PM 計9分科会(分散会)) ★

第1分科会(全4分散会)
臨床介護の実践 ―EBC(Evidence Based Care)を求め、科学的介護を追求する―

第2分科会
特別養護老人ホームの経営力強化

第3分科会
介護人材の新たな一歩 ~これからの採用・育成・定着~

第4分科会
介護新時代を切り拓く在宅サービスの取り組みと展開

第5分科会
今求められる福祉への挑戦と経営の両立! 養護・軽費老人ホームの取り組みの実際

第6分科会
デジタル活用による現場革新・科学的介護

先駆的特別報告(13:00~16:00) ★

報告1
介護職員の危険予知能力の特徴探索およびその特徴を網羅したリスク教育の標準化の検討

関西福祉科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科
作業療法学専攻 准教授

有久勝彦 氏

報告2
福祉サービス第三者評価結果を活用したサービス実践ガイドラインの構築 ~特別養護老人ホームのケアの標準化サービスの課題と現状~

亀田医療大学 高齢者看護学 講師
青山美紀子 氏

報告3
認知症高齢者の家族を対象とした、COVID-19感染拡大予防および認知・身体機能悪化予防実践への支援の効果の検討

広島大学大学院 医系科学研究科
共生社会医学講座 寄付講座講師

加澤佳奈 氏

報告4
特別養護老人ホームにおける高齢者の生きる意欲を引き出すアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に関する実態調査と実践ガイドの開発

浜松医科大学 臨床看護学講座 老年看護学 教授
鈴木みずえ 氏

報告5
高齢者の無症候性低血糖による認知機能低下や狭心症症状を予防するための薬物療法に関するガイドラインの提案

社会福祉法人浴風会 認知症介護研究・研修東京センター 客員研究員
阿部庸子 氏

特別講演会場

特別講演会場 ★

9:00~10:00 講演①(経営)

特別養護老人ホームの経営力強化~2040年に勝ち残る特養の条件を考える~

施設建て替えの判断基準、入所待機者を安定確保する事業戦略、人材を確保し人件費を管理する人事制度、経営の中核を担う部門の整備などを理解し、経営力強化につなげます。

ウェルフェアー・J・ユナイテッド株式会社 代表取締役社長
本間秀司 氏

10:00~11:00 講演②(デイ)

デイサービスの生き残り戦略としての生産性向上の取り組み

厳しい経営状況が続くデイにおいて、現場でどう生産性向上に取り組み、現場の課題を解決しつつ、いかに生き残り戦略につなげていくか、実践的手法からその必要性を詳説します。

株式会社TRAPE 代表取締役 鎌田大啓 氏

11:00~12:00 講演③(総研)

認知症ケアに係る評価について

認知症ケアにおける評価について定量的な評価尺度を取り入れ、主観から定量的なエビデンスへ変えることで、介護職員の気づきの力を高め、認知症ケアの改善につなげていくことの大切さについて講演します。

認知症介護研究・研修東京センター センター長
山口晴保 氏

13:00~14:00 講演④(軽費ケア)

データから読み解く軽費老人ホーム・ケアハウスの道標~老健事業から見えてきた展望とミッション~

近年の老健事業の調査結果から、軽費ケアハウスは何を求められているのか、社会的資源としてどうあるべきなのか、軽費ケアハウスのこれからの展望とミッションを考察します。

東洋大学 ライフデザイン学部生活支援学科 准教授
早坂聡久 氏

14:00~15:00 講演⑤(養護)

介護新時代に向けた養護老人ホームの未来と可能性~過去・現在(いま)を踏まえて新たな道を切り拓く~

これまでの歴史や取り巻く状況を踏まえ、これからの養護はどうあるべきか、何が求められるのか、新たな取組や施設の在り方をどう考えるのか、未来の養護の可能性を探ります。

城西国際大学 福祉総合学部 福祉総合学科 教授
清水正美 氏

15:00~16:00 講演⑥(人材)

就転職活動×Web活用における現状及び留意点と定着に向けた職場づくり

人材確保のための広報戦略や、職員の定着・育成の考え方を学びます。新型コロナ禍を契機に広がっている採用活動のオンライン化に関する事例も交えて紹介します。

株式会社リクルートHELPMAN JAPANグループ シニアエバンジェリスト
坂本宗庸 氏


その他 会場企画

企画会場

11:00~12:00 全国老施協カレッジ「SNSを中心とした情報発信とWeb運用」

利用者様ご家族への広報や採用活動などを視野に入れたSNSの活用ポイントとWeb運用の基本をお伝えします。SNSは主にInstagram等におけるアカウントの開設方法、運用のコツ、Webツールの活用を織り交ぜ利用者様ご家族や採用活動などを効果的に進める「今日から取り組める」方法をお伝えいたします。

[登場企業]ゲンダイエージェンシー株式会社(東証スタンダード上場企業)

インターネット広告・エリアマーケティング等のスペシャリスト。クライアントには大手メーカー、大手フィットネスクラブ等があり、広告運用を一手に引き受ける。

13:20~14:20 徹底討論会「全国老施協徹底生討論」

全国老施協アプリ「老施協.com」にて実施したアンケート結果にもとづき、介護福祉施設の若手職員などを交えて徹底討論を行います。

14:30~15:30 施設対抗大喜利大会

介護福祉業界における様々なテーマや出来事について、出されたお題に対し各チームで最も共感や笑いを誘う回答を考え、発表する企画です。チームで一丸となって参加し思い出をつくれる企画となっています。

[進行・審査員]U字工事

結成22年(結成2000年)になり、栃木訛りを軸にした漫才を始める。学生時代からアマチュアとしてローカル番組に出演し、2003年から2007年にかけて「M-1グランプリ」5年連続準決勝進出。2008年には初の決勝進出を果たした。地元栃木ではTV出演が多数あり、栃木県では馴染み深く人気が高い

U字工事
16:00~16:30 ご当地プレゼント抽選会

当日抽選会の会場にお集まりの方を対象に実施いたしますので、ぜひ最後までご参加ください。

[進行]U字工事

介護機器展(1月26日~27日)

介護・福祉分野のさまざまな製品やサービスが出展する展示会を開催いたします。

地域物産コーナー

開催地・栃木県宇都宮市を代表するグルメ「餃子」の屋台が出店され、会場にて宇都宮餃子を実食することができます。

餃子

大会・フォーラム委員会 菅原哲雄委員長に伺いました

情報や知識を得るだけでなく「集う場」を提供する意義

――2年ぶりの会場参加型ですね

 ここ数年で、オンデマンド配信やライブ配信など、オンライン参加できる研修形式が定着してきました。いい面はもちろんありますが、コミュニケーションの面から見ると、明らかなデメリットもあります。講師やスピーカーの方から参加者の顔が見えず、一方通行の「発信」になってしまう。また、同じ会場にいるわけではありませんから、特に大人数の場合、他の参加者の顔が見えない。当然参加者同士のコミュニケーションを図ることはできないのです。年に一度の全国大会がその状態というのは実にもったいないことです。

 まだ新型コロナウイルス感染症対策には気が抜けませんが、一堂に会して、参加者同士が交流できるような形での開催を目指しました。結果として、参加した皆さんが何を得るかは人それぞれですが、とにかく集まり、交流をもち、新たな人のつながりが生まれるような場を提供するというところに意義があると考えています。

会員がつくり会員が参加する会員のための大会

――開催する形式だけでなく、企画自体も「参加型」だとか

 これまでは、企画をこちらで立てて、常任理事会で承認を得て開催するというスタイルでした。しかし、今回は、養護部会、軽費老人ホーム部会、デイサービス部会などに内容を決めるところから任せる形式に。これは初めての取り組みでしたが、現場の実務に即した企画ができました。

 現場経験の浅い方や学生の参加者は、これら部会主体のディスカッションに参加すれば、現場の様子や、どんな問題があって、どのような解決策が検討されているのか、どんな知識や情報が必要なのかなどが、よくわかると思います。ぜひ、共に考え、参考にしてほしいですね。

複数の企画が同時進行 自由に選んで自由に参加

――色々なプログラムが並行して開催。にぎやかな構成ですね

 スタイルとしては、講演、研究発表、活動報告、シンポジウム、ディスカッションなど様々です。長時間の講演会や研修などでは、タイミングを逃すと、ちょっと退席しづらいということもあると思います。しかし、長時間聞いたから多くのものを得られるとは限りません。この大会では、そういった意識に縛られず、あちらこちらを回って、各自が1つでも2つでも何かしらを持って帰ってくれたらいいと思っています。

 内容としては、遊びの要素も取り入れていて、ジャズのセッションや大喜利大会、ご当地プレゼントの抽選会もあります。グルメコーナーに立ち寄ったりしながら楽しんで2日間を過ごし、ちょっとしたエネルギーの補充ができたり、気分転換してリフレッシュできたりするといいですね。

 「あちこちで色々なことをやってたなあ。見られなかったものもあったしちょっと面白かったから、次の大会も参加してみようか」と思っていただけるとうれしいです。

お申し込み方法

STEP1

下記のURLから、全国老人福祉施設協議会ホームページのTOPページへアクセス
https://www.roushikyo.or.jp

STEP2

TOPページの「募集・申込」をクリックして「全国大会・研究会議開催要項等」を選択

STEP3

「全国大会・研究会議の開催予定・参加申込 令和4年度(in栃木)」をクリックし、大会特設ページへアクセス

STEP4

大会特設ページの参加申込ページよりお申し込みください。
申込受付期間:
2022年11月1日10時~
・会場参加の方:1月18日まで
・オンデマンド参加の方:3月23日まで

STEP5

お申し込み手続きを完了いただきましたら、受付完了メールをお送りいたします。また、手続き完了時に、ご請求画面を表示いたしますので、期日までに参加費等をお振り込みください。

STEP6

期日までにお振り込みを完了いただきましたら、振込完了メールをお送りいたします。また、1月20日ごろ、ご参加のためのご案内(参加証・動画視聴用パスワード等)をメールにてお送りさせていただきます。なお、領収証は、お申し込みいただいた受付システムにてご自身で発行いただけます。


菅原哲雄氏

全国老施協 大会・フォーラム委員会 委員長

菅原哲雄

Profile●すがわら・てつお=1953年、北海道生まれ。日本福祉大学社会福祉学科卒。ケアハウス砥部オレンジ荘 施設長、社会福祉法人砥部寿会 理事長、愛媛県老人福祉施設協議会 会長


取材・文=早坂美佐緒(東京コア)