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〈政府〉
全世代型社会保障構築会議、緊急性の高い「足元の課題」を提示
JS-Weekly No.859
#全世代型社会保障 #足元の課題
かかりつけ医機能、医療法人改革などを足元の課題として提示
政府は12月7日、第10回全世代型社会保障構築会議を開き、報告書の素案となる論点整理(改革の方向性)について議論した。論点整理では、 ①こども・⼦育て⽀援の充実、②働き⽅に中⽴的な社会保障制度等の構築、 ③医療・介護制度の改⾰、④「地域共生社会」の実現、の4点それぞれで、今後の取り組むべき課題を整理。前回の案を土台としつつ、緊急性の高い「足元の課題」などを新たに提示し、今後の改革工程を示した。年内に報告書を取りまとめ、令和5年の通常国会での関連法改正を⽬指す。
医療・介護制度改革では、「⾜元の課題」として、出産育児⼀時⾦の増額、後期高齢者医療制度の保険料負担の在り方の見直しなど医療保険制度の⾒直し、かかりつけ医機能が発揮される制度整備、医療法⼈改⾰の推進、医療介護間での情報連携を挙げた。
次いで来年、早急に検討を進めるべき項目として、医療・介護DX (デジタルトランスフォーメーション)の推進、介護職員の働く環境の改善、次期介護保険事業計画に向けた具体的な改革などを挙げた。
⼀⽅、医療・介護保険での負担能⼒に応じた負担と給付の不断の⾒直しや地域医療構想の見直し、地域包括ケアの実現に向けた提供体制の整備と効率化・連携強化については、令和7年度までに取り組む課題とした。
介護人材の確保のため、ICT機器の導⼊⽀援、処遇改善加算の見直しなどを明記
介護では、介護人材確保のための検討項⽬として、介護ロボット・ICT機器の導⼊⽀援、介護サービス事業者の経営の「⾒える化」、職員配置基準の柔軟化の検討、処遇改善加算の見直しなどを提示した。また、地域包括ケアシステムの深化・推進を図るために、ケアマネジメントの質の向上や在宅サービス基盤の整備と機能の強化、市町村の総合事業の担い⼿の育成や利用者の選択肢の拡大、認知症の⼈・家族への包括的な⽀援や権利擁護を図るため、地域包括⽀援センターの体制整備を進める必要があるとした。会議では、構成員から「介護保険改革の論点を報告書に具体的に盛り込むべき」という指摘もあった。
自民党、全世代型社会保障に関する特命委員会で議論。意見書提出へ
自民党では、12月9日に全世代型社会保障に関する特命委員会(委員長:田村憲久衆議院議員)を開催、全世代型社会保障構築会議の論点整理(改革の方向性)を基に議論を進めた。13日の同委員会で意見を取りまとめ、首相官邸に意見書を提出する。
田村委員長は、かかりつけ医機能の制度整備について、英国のGP(General Practitioner)制度とは異なり、医療機関がそれぞれの機能に応じてかかりつけ医を担うといった、独自のかかりつけ医制度を構築する必要があると発言。高齢者や若年者、子供なども視野に入れた検討が必要であり、また、国民が選択できることが、制度化の前提であって義務ではないことも明確にすべきとした。
他の委員からは、下記のような意見があった。
- 医療法へかかりつけ医機能を明記することに反対
- 医療のフリーアクセスを堅持すべき
- 高齢者の負担率見直しについては、慎重な議論が必要なのでは