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速報(JS-Weekly)

〈東京商工リサーチ〉

介護サービス事業者の倒産件数、過去最多を記録 新型コロナ、物価高騰、人材不足の三重苦にあえぐ

JS-Weekly No.859

#倒産 #介護難民

倒産件数、「通所・短期入所」「訪問介護」で全体の8割を占める

 東京商工リサーチの調査によると、令和4年の介護サービス事業者の倒産件数は、過去最多を記録した令和2年の年間件数(118件)を上回り、135件(1~11月)となったことが判明した。

 倒産件数135件の内訳は、デイサービスやショートステイの「通所・短期入所」が65件、「訪問介護」が46件の計111件で、高齢者の日常生活を支援する事業者が全体の8割を占めている。こうした状況について、東京商工リサーチは「感染を恐れて利用控えが起きやすい。従業員の感染で人手が足らず、利用者数を絞って減収になったケースもある」と説明した。

 倒産件数は、都道府県別では神奈川が19件で最も多く、次いで大阪(15件)、東京(14件)、愛知(9件)、埼玉と千葉(各8件)の順である。従業員数別では、10人未満の事業者が109件と大半を占めた。

 倒産件数が増加した背景には、新型コロナウイルス、物価高騰、人材不足がある。代わりの受け皿がなければ、サービスを受けられない「介護難民」が急増し、高齢者の健康悪化、家族介護者の負担増大が危惧される。約2500事業者が加盟する全国介護事業者連盟の斉藤正行理事長は「来年はさらに倒産が増えそうだ」と危機意識を高めている。