最新情報
〈東京都高齢者福祉施設協議会〉
コロナ第7波で病床逼迫、施設の高齢者66%が入院できず
JS-Weekly No.858
#インターネット調査 #コロナ第7波 #病床逼迫
高齢者施設の感染者の入院調整が難航、施設でクラスター発生も
今夏に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症のオミクロン株「第7波」について、東京都高齢者福祉施設協議会が高齢者施設への影響を調査したところ、病床逼迫により、高齢者の入院調整が難航した実態が明らかになった。
調査は9月に、東京都内の特別養護老人ホーム、養護施設など計571か所を対象にインターネットで実施。273か所から回答を得た。
それによると、7~8月に入所者が感染したと回答したのは159施設で計1795人だった。
症状別では重症が86人、中等症が500人、軽症でも重症化リスクが高い人もいるため、施設側が入院調整を依頼したのは計869人だった。
このうち入院できたのは299人(34%)で、570人(66%)は受け入れ先が見つからず、入院できなかった。施設内で36人が死亡し、このうち17人が入院調整中だった。外部医師の往診を利用した施設は14%にとどまった。職員の感染者は155施設で1489人に上った。
入所者の感染者がいた159施設に保健所の対応を尋ねると、「軽度者は入院対象にならないと説明された」(43%)、「中等症以上でも入院は難しいと言われた」(28%)という回答が多い。感染対策で困ったこと(複数回答)については、「職員の確保」(85%)が最も多かった。次いで「入院ができない」(65%)だった。
クラスターについては、3割にあたる95施設が発生したと答え、クラスターが発生しやすい理由として、入所者が自分で感染対策を行うのが難しいことなどを挙げている。
今回の結果について協議会では、「第7波では入院できずに施設内で療養せざるを得ない入所者が多く、感染拡大を防ぐことが難しい実態が明らかになった」として、感染対策を確実に行えるようにすること、早期に収束できる体制をつくっていくことの重要性などを訴えた。