最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈全国老施協〉

第3回事業評価委員会を開催し、「令和4年度事業評価報告書」をまとめる

JS-Weekly No.857

#処遇改善 #支え手不足 #選択と集中と再分配

全国老施協の存在意義・存在価値は何か。「選択と集中と再分配」の議論を

 全国老施協は11月29日、「第3回事業評価委員会」を開催し、「令和4年度事業評価報告書」をまとめた。本委員会は、令和2年度から始めた事業評価を目的としたもので、今年度で3年目となった。報告書の内容は次の通り。

 今回の総論では、評価開始年度の総論において事業の整理の必要性を唱えたが、その後の各委員会の努力等により一定程度事業の整理はなされたと評価している。その一方で、人材確保や業務省力化などの大きな課題が残されており、組織面についてはまだまだ充実・強化を図る必要があるとも感じている。これらの課題に的確に対応していくためにも、さらなる事務局体制の強化が必要不可欠であると同時に、現状の事業の整理統合等により、事務局の負担軽減も図っていくことが肝要である。

 また、福祉全体の進むべき方向性を考えると、介護職員等の処遇改善を引き続き実施することが重要である。そのためには、福祉関係団体が協力連携して、継続的な事業実態調査を基に確かな根拠に基づく要望活動を国会や行政に実施することが大切である。さらには、職種別研修など共通する課題の研修会実施にあたっては、関係団体と共同で開催するなど、会員が参加しやすい環境整備を推進することが望ましい。

 今後も高齢化率が上昇し続ける一方で、生産年齢人口の急激な減少が予測されており、支え手不足がより顕著となる。これらのことを総合的に勘案すると、施設サービス・在宅サービスともに現在の事業形態を持続していくことには多くの課題がある。早い時期に中長期的視野に立ち、今後取り組むべき課題を慎重に検討し、論拠を示しながら法改正等が必要な場合には国会や行政への要望活動を行っていくことが肝要である。

 本委員会が開催されて以降、「選択と集中」というキーワードを使用しているが、全国老施協の存在意義・存在価値をどこに見いだし、そこにどれだけの資源を投下するのかという「選択と集中と再分配」の議論を行ってほしい。

 なお、事業評価が形骸化することを避ける意味もあり、事業評価委員会自体は周期的(3年ごと)に開催することとするが、年1回10月を目途にモニタリングの場を持つこととする。