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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

「第103回社会保障審議会介護保険部会」を開催 慎重論相次ぐ

JS-Weekly No.857

#給付と負担 #総合事業への移行

 厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学理事/法学学術院教授)は11月28日、「第103回社会保障審議会介護保険部会」を開催した。

 介護保険制度の「給付と負担」の見直しを巡り、下記7項目について審議を行った。早ければ令和6年度からの実施を目指しているが、出席者からは慎重な検討を求める意見が相次いだ。

給付と負担の論点
  1. 被保険者範囲・受給権者範囲
  2. 補足給付に関する給付の在り方
  3. 多床室の室料負担
  4. ケアマネジメントに関する給付の在り方
  5. 軽度者に対する生活援助サービス等に関する給付の在り方
  6. 「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準
  7. 高所得者の1号保険料の負担の在り方

軽度者に対する生活援助サービスの総合事業への移行、反対や慎重な意見が目立つ

 軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方では、軽度者(要介護1・2)の通所介護・訪問介護を総合事業へ移行することについて、全国老施協の小泉副会長は「特に認知症介護においては専門的な関わりが必要である」と述べ、他の委員からも「これまでの審議と同様に慎重であるべき」とする意見があり、反対や消極的な意見が目立った。

ケアマネジメントに関する給付の在り方などについても検討

 ケアマネジメントに関する給付の在り方について、全国老施協の小泉副会長は「制度創設当時10割給付とされ定着してきたケアマネジメントに負担を求める改正は、避けるべき」と述べ、他の委員からは「利用者に一部負担を求めることはケアマネジャーによるサービス内容の意思決定支援の機会を奪ってしまうことが危惧される」という意見があった。他にも「現役並み所得」「一定以上所得」の判断基準について、「現実の高齢者の生活実態を把握したうえで一定以上所得の判断してほしい」という意見があったことや高所得者の1号保険料の負担の在り方について、「1号保険料の水準について現行水準の維持が重要。保険料の多段階化には理解できる」といった様々な意見があった。

 厚生労働省は、年内を予定する意見書の取りまとめに向け、給付と負担の在り方について継続して審議する考えを示した。

参考資料