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〈内閣府〉
看護師の医療行為の拡大や「身近な場所」でのオンライン受診について議論 規制改革推進会議
JS-Weekly No.857
#医療のタスクシフト #ナース・プラクティショナー #オンライン診療
医療のタスクシフトに向け、医療行為ができる看護師「ナース・プラクティショナー」制度を検討
規制改革推進会議は11月28日ワーキンググループ(WG)で、医師の仕事の一部を看護師に任せることによる医療のタスクシフトの本格的な検討をスタートさせた。具体的には、海外で制度化されている医療行為を行う看護師「ナース・プラクティショナー」の日本版を提起、実現に向け日本医師会などと協議を行っていく。高齢化による医療の需要拡大への対策として、また医療界の働き方改革や医師不足などの問題への対応、患者サービスの維持向上につなげることが狙い。
米国の場合は、ナース・プラクティショナーが看護師でありながら、医師の指示なしで、採血やX線撮影などの指示、急性疾患の診断と治療、薬剤の処方などを行う(州によって異なる)。規制薬物を含む処方権を持つ州も多く、医師の負担軽減にもつながっている。スキルと知識を身に付けた専門職として、公的資格制度を導入している国は、米国のほか、カナダ、アイルランド、オーストラリア、オランダ、シンガポールなど。日本でも大学院で看護師が高度なスキルを学ぶ取り組みはあるものの、民間資格の付与にとどまっている。制度化には法整備が必要であり、規制改革推進会議と厚生労働省で調整を行う。
通所介護事業所や公民館でのオンライン受診については厚労省に再検討を依頼
現在、オンライン受診ができるのは、医療提供施設と居宅等に限られている。厚生労働省は、「不特定多数が診療を目的として集まる場合には、診療所を開設すべき」との意見を説明した。政府の規制改革実施計画(6月閣議決定)では、通所介護事業所や公民館でのオンライン受診を求める声があるとしている。デジタルデバイスに慣れていない高齢者などの医療確保の観点から検討し、今年度中に場所や条件について結論を出す方針だ。今会議では、厚労省に同意する意見がある一方で、通所介護事業所でオンライン受診ができない状況は、医師と患者双方にとって不便(患者の帰宅後に医師が往診するか患者が通院するか)だという意見などがあり、結論には至らなかった。
WGは厚労省に改めて検討することを求めた。