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速報(JS-Weekly)
〈東京都健康長寿医療センター研究所〉
「PET検査」は認知症の鑑別診断や治療薬の効果測定に不可欠、保険適用に強い期待
JS-Weekly No.857
#認知症の鑑別診断 #アルツハイマー病の治療薬
PET検査は認知症の鑑別に重要な技術
東京都健康長寿医療センター研究所は11月14日、PET検査は、認知症の適切な治療と治療の効果測定を行うために必要不可欠などとする研究内容を公表した。
PET(Positron Emission Tomography:PET=陽電子放出断層撮像法)検査は、放射能を有する薬剤を生体内に投与し、その薬剤から生じる放射線を体外で検出する技術。使用するPET用薬剤により、得られる情報は異なる。
認知症の鑑別診断にも重要な役割を果たす。アルツハイマー病の原因となるタンパク質(「アミロイド-β」や「タウ」など)の病変を検出するための薬剤は、米国では既に複数の薬事承認を得ている。また、レビー小体型認知症の原因となる「a-シヌクレイン」病変に対する薬剤の開発・評価も進められている。
治療薬の効果測定にも有用、研究所では保険適用への期待も
現在、アミロイド-βやタウの病変にアプローチする認知症治療薬の開発が進められている。治療薬が本当に機能しているか、その効果測定を行う上でも、脳内で薬の機能を評価・確認できるPET検査は必要不可欠な技術だ。
東京都健康長寿医療センター研究所では、アルツハイマー型治療薬の治験に参画し、PET用薬剤の製造・開発やPET検査による認知症治療薬の効果判定を行っている。PETの技術は非常に精度が高いが、まだ保険適用はされていない。同研究所では、今後、アルツハイマー病の根本的治療法が開発され、PET検査によるアルツハイマー病の進行具合や治療効果のモニタリングの有益性がはっきりと示されれば、「PETが身近なものになる」として、保険適用への期待をかけている。