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速報(JS-Weekly)

〈全国老施協〉

養護老人ホーム職員研修 参加者が“困難”事例を持ち寄ってグループワークで対応策を検討

JS-Weekly No.856

#養護老人ホーム #困難事例

同じ養護老人ホームの仲間が直面する“困難”事例にともに向き合いスキルアップを

 全国老施協の養護老人ホーム部会は「令和4年度養護老人ホーム職員研修 “困難”事例検討会」を11月2日(第1回)と11月18日(第2回)にオンラインで開催した。参加者は養護老人ホームの職員で、それぞれが提出した“困難”事例について、参加者3〜4名に進行役が1名加わったグループに分かれ、対応策をワークシートに書き出し、検討や意見交換を行った。

 開会のあいさつで、利光弘文部会長は「養護老人ホームが抱える問題としては、施設経営のほか、現場の職員が抱える複雑な事例が大きい。もちろん入所者の問題は千差万別であり、確実な答えがないものも多いが、この研修で考え方のパターンを学び、増やしていくことによりそれぞれの対応の幅を広げてほしい」と呼びかけた。

困っているのは入居者ご本人であり、どう支援(対応)して良いのか悩んでいるのが職員

 両日とも冒頭、平岡毅幹事より「対人援助(専門)職において、困った人などとするのは不適切。正しくは、困っているのは入所者ご本人であり、その入所者へどう支援(対応)して良いのか悩んでいるのが職員である」という認識が説明され、参加者間で共通化を図った。

 その後のグループワークでは、各事例に対して考えられる対応方法や工夫など、アイデアを出し合った。施設規模や立場も違う職員同士、「○○はどういう状況ですか」、「こういう方法は試してみましたか」など、具体的かつ異なる視点での意見が活発に交わされた。事例や対策に付随する情報交換なども行われ、1事例45分程度ながら、非常に中身の濃い事例検討会となった。

 閉会のあいさつで、大山知子副会長は「参加者の表情を拝見すると、研修開始前より明るくなったように見受けられる。この研修会を通じて、全国の養護老人ホームの仲間とつながり、入所者のために今日の学びを明日からの日々の業務へ活かしてほしい」と締め括った。

 参加者からは、「自分の施設では思いつかないような様々な意見を聞けて為になった」 「全国の仲間と話ができて、自分だけではないと勇気づけられた」「進行役がいたことで事例検討に集中できた」といった感想が寄せられた。

 なお、参加者はグループワークで出された意見をもとに、各自事例に取り組み、その結果や新たに見えてきた課題などを「取組結果シート」にまとめて提出し、3か月後の令和5年2月に行われる「取組結果報告会」へ臨む。