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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

国民年金の納付期間を45年に延長 厚労省検討へ

JS-Weekly No.852

#国民年金 #納付期間 #現役世代の人口減少

現行20歳以上60歳未満の納付期間を65歳まで延長する案を検討

 厚生労働省は国民年金(基礎年金)の保険料納付期間を、現行の20歳以上60歳未満の40年間から、20歳以上65歳未満の45年間とする検討に入った。10月15日、関係者への取材で明らかになった。

 10月25日に開かれる社会保障審議会の年金部会から、議論を本格化させる。令和6年度には5年に1度行われる年金の「財政検証」がある。これに合わせて令和6年に結論を出し、令和7年の通常国会に関連法改正案の提出を目指す。企業の雇用延長などで働く人は65歳まで保険料を払っているが、自営業者などは負担が増すことになる。

現役世代の人口減少に伴い、受給水準の低下を防ぐのが狙い

 令和7年には団塊の世代が全て75歳以上となる。さらに令和22年には団塊ジュニア世代が65歳以上となり、現役世代の減少も顕著となる。今後予想される受給水準の低下を食い止め、財源を確保することが狙いだ。

 国民年金を40年間納付した場合の受給額は月約6万5000円(令和4年度)。納付期間を5年延長すると、しなかった場合よりも受給額の水準は上がる見込み。

 政府は、納付期間の延長に加えて厚生年金財源の一部を国民年金に回す見直しも検討している。これらを加味した厚労省試算によると、自営業者のほか会社員らの受給額も現在とほぼ同水準を保てる可能性があるという。

 現在は、物価や賃金の伸び率に合わせて公的年金の給付を調整・抑制する「マクロ経済スライド」が導入されているが、これにより国民年金のみの受給者の生活は一層苦しくなることが想定される。こうしたことも加味し、また、将来の年金制度を維持するため、厚労省は見直しを急ぐ考えだ。