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〈日本介護支援専門員協会〉
処遇改善加算を受けていない最多理由は看護補助者との不公平
JS-Weekly No.851
#介護医療院 #介護職員処遇改善加算 #看護補助者
公平性を保つため、病院の介護職には持ち出しで処遇改善を実施
日本介護医療院協会(鈴木龍太会長)は、10月13日、令和4年度の調査結果を公表した。調査は全国の介護医療院693施設を対象として6月に実施、141施設から回答を得た。
介護職員の処遇改善の取得率をみると、「介護職員処遇改善加算」を受けている施設は85%、「介護職員等特定処遇改善加算」は59.3%、「介護職員処遇改善支援補助金」は78.8%だった。
これらの加算を「受けていない」と回答した施設に理由を聞いたところ、「併設の病院の看護補助者と不公平になる」との回答が77%と最も多かった。
一方で、介護医療院を併設する病院病床の看護助手、介護職員に対して処遇改善を「実施している」との回答は78.9%に上った。その財源については、81.9%が「病院の持ち出し」と回答。公平性を担保するため、病院が持ち出しで病院の介護職への処遇改善を行っている実態が明らかになった。
鈴木会長は会見で、厚生労働省の調査では、全国の介護施設のうち95%以上が介護職員処遇改善加算を算定しているが、それを10ポイント下回っていると指摘。介護医療院は、病院内に併設しているケースが多いため、国の補助のない病院職員の看護補助者(介護職)と介護医療院の介護職の給料が不公平になってしまうという意見が多いとの見解を示した。
「尊厳の保持に資する取り組みの実施状況」ではACPへの取り組みが最低評価
「自立支援促進加算」の算定に必要となる、「尊厳の保持に資する取り組み」の実施状況については、11項目のうち6項目(身体拘束ゼロへの取り組み、手荒い介護をしない、意地悪しない、プライバシーの保護、代理人を決めている、家族や代理人と本人の意思を推測)は平均評価が5段階評価で4以上だった。
一方、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実施は、平均評価が最も低く2.6だった。
鈴木会長はこの理由について、「介護医療院は、患者の要介護度が高い場合が多く、本人の意思確認が大変難しい」ことを挙げた。
※アドバンス・ケア・プランニング:人生の最期の医療・ケアに本人が参加し、本人の意思を確認すること