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〈政府〉
全世代型社会保障構築会議において介護制度の改革に向けた議論が本格化
JS-Weekly No.849
#全世代型社会保障構築会議 #医療・介護制度改革
負担能力に応じて全世代で公平に支え合う方針を明示
政府の「第7回全世代型社会保障構築会議」が9月28日に開かれ、医療・介護制度の改革、子育て支援の充実などに向けた本格的な議論に入った。
「医療・介護制度の改革」「働き方に中立的な社会保障制度等の構築」「子ども・子育て支援の充実」の3つのテーマについてチームごとに議論しているが、この日は、それぞれのチームが今後の論点の提示や提案を行った。
医療・介護制度の改革では、団塊の世代が全て後期高齢者となる令和7年までに制度的な対応が急務とし、負担能力に応じて、全ての世代で公平に支え合う仕組みを強化するという方針を明示。
具体的には、医療分野の医療保険関係では、大幅に増額する出産育児一時金の財源について、現在は負担していない75歳以上の後期高齢者にも今後負担を求めることを提案した。現役世代の負担を抑え、被用者保険者間の格差を是正したい考えだ。
医療提供体制関係などでは、都道府県ごとの地域医療構想や医療法⼈改⾰の推進、医師偏在対策の推進、「かかりつけ医機能」を発揮するための制度整備を挙げた。さらに、データヘルス、オンライン診療、AI・ロボット・ICTの活用などの医療分野の確実なDX推進も論点として示した。
介護分野では、負担能力に応じた負担と公平性を踏まえた給付内容の在り方を検討
介護分野の論点としては、在宅サービス基盤の整備と機能強化、地域包括支援センターの機能強化や地域連携ネットワークの整備推進、介護予防や社会参加活動の場の充実、介護職員の勤務環境の改善、人材や資源の有効活用の推進、テクノロジーの活用等も含めた介護現場の生産性の向上が示された。また、高齢者の負担能力に応じた負担、公平性等を踏まえた給付内容の在り方を踏まえ、利用者負担、多床室の室料負担、ケアマネジメントに関する給付、軽度者への生活援助サービス等、高所得者の保険料負担なども、検討課題として挙げている。
政府は、これらの論点について、厚労省の関係審議会で具体的な検討を進めてもらう考えだ。
会議は年末までに報告をまとめ、政府はそれを踏まえた⼯程表を作る。新経済・財政再⽣計画に盛り込まれた分野ごとの施策を確実に進めるための改革工程表と社会保障の⼯程表が2つできることになるが、政府では整合性を担保するとしている。