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〈厚生労働省〉
通いの場への参加取り組みや認知症施策の推進など幅広く議論
JS-Weekly No.847
#介護保険部会 #令和6年度制度改正
認知症ケアの質の向上や認知症初期集中支援チームの在り方を問う声
厚生労働省は9月12日、令和6年度の介護保険制度改正に向けた「第97回社会保障審議会介護保険部会」を開催。前回に引き続き、地域包括ケアシステムのさらなる深化・推進をテーマに、認知症施策の推進、総合事業の多様なサービスの在り方、通いの場・一般介護予防事業、地域包括支援センターの体制整備、介護予防ケアマネジメント業務、介護給付費の適正化などを論点に議論を行った。全国老施協からは、小泉立志副会長が参加した。
認知症施策の推進については、委員から認知症ケアの質向上や自立支援、生活支援の在り方の検討などを求める声が多くあがった。また、コロナ以前から年々相談件数の減っている認知症初期集中支援チームについて、全国老施協の小泉副会長は、「現実にどれくらい機能しているのか、地域においても実態が見えてこない状況」と指摘。適切な情報共有が必要との考えを示した。
「通いの場」への参加率向上にはフレイル対策への取り組みも必要
介護予防・日常生活支援総合事業の一般介護予防事業の中で進められている、高齢者の「通いの場」への参加率は年々増加していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により令和2年度は5.3%(11万4000か所)に減少。その再開や参加を促すための取り組みの強化や対応策も論点となった。委員からは、介護予防策としての「通いの場」への参加取り組みは進めるべきだが、同時にフレイル(虚弱)などでそれに参加できない高齢者への対策も講じる必要があるとの意見があがった。また、フレイル対策では、さまざまな成功事例を幅広く展開することが重要といった指摘も出た。
調整交付金の減額措置に賛否両論
厚生労働省では、第8期介護保険事業計画期間から、介護給付費適正化主要5事業のうち、3事業以上実施していない保険者等に対して調整交付金を減額する措置を導入している。これに対し、委員からは「ペナルティーを与えることは調整交付金の趣旨に反する」「今後も介護給付費の増加が見込まれるため、適正化の取り組みは必須」など賛否両論が出た。