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速報(JS-Weekly)

〈政府〉

令和5年度予算の全体像と概算要求基準まとまる

JS-Weekly No.841

#経済財政諮問会議 #令和5年度予算

DX、GXなど重要政策に重点的に予算を配分

 政府の経済財政諮問会議が7月29日に開かれ、中長期の経済財政に関する試算、令和5年度予算の全体像および概算要求基準について議論を行った。これらは骨太方針2021および2022に基づくもので、岸田文雄首相は同日の会議で「歳出を大胆に重点化し、めりはりの利いた予算にする」と表明。「新しい資本主義」の一環としてこれまで掲げてきた人への投資、子供・子育て支援、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション:脱炭素)といった重要政策に重点的に予算を配分する考えを示した。

介護保険の持続性確保のため利用者負担の見直しを進めると明記

令和5年度予算の全体像では、社会保障分野について次の点が明記されている。

  • 医療・介護・住まいの一体的な検討・改革等地域共生社会づくりの推進。
  • マイナンバーカードの保険証利用、マイナポータルの利活用拡大をはじめ、マイナンバーの利活用の徹底的な拡大を通じた医療・介護をはじめとする公的給付のDX化。
  • セルフメディケーションの推進、ヘルスリテラシーの向上、インセンティブ付けなどを通じた、予防・重症化予防・健康づくりの推進、利用者負担見直しを含む介護保険の持続性確保。
  • 給付と負担のバランスの確保、現役世代の負担上昇の抑制、マイナンバーの利活用、後期高齢者医療制度の保険料賦課限度額の引き上げを含む保険料負担の在り方等各種保険制度における能力に応じた負担の在り方等の総合的な検討。

 介護保険制度の利用者負担については、2割負担・3割負担の対象者のさらなる拡大、居宅介護支援費の利用者負担導入などが検討課題となる。今後は、社会保障審議会(介護保険部会)で議論を深め、具体策を検討する。

8月末までに各省庁の概算要求を締め切り、予算編成を本格化

 概算要求基準は同日、閣議決定された。各省庁は、この基準に従い、8月末までに財務省に概算要求を提出する。政府はその要求内容を精査して検討し、年末までに政府予算案を作成する。

参考資料