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速報(JS-Weekly)
〈福祉医療機構〉
物価高騰で特養の9割が経営に影響あり
JS-Weekly No.838
社会福祉法人経営動向調査(令和4年6月調査)の概要
ポイント
① 約3割の施設がコロナ前より減収
② 約9割の施設が原油価格や物価高騰により経営に影響
物価高騰の影響が大きい勘定項目のトップは水道光熱費
独立行政法人福祉医療機構(WAM)が7月6日に公表した「社会福祉法人経営動向調査(令和4年6月調査)」の結果によると、物価高騰により経営に影響を受けている特別養護老人ホームが約9割にのぼることがわかった。調査は、WAMが6月1日から22日にかけて特別養護老人ホームを運営する全国519の社会福祉法人を対象にwebで実施。このうち、418法人から有効な回答を得た。
令和3年度のサービス活動収益では、前年度実績から5%以上増収した施設は14.8%、5%以上減収した施設は28.0%となった。令和元年度実績と比較すると、増収施設は18.2% 、減収施設は27.8%と約3割の施設がコロナ前より減収していた。
経営上の課題(複数回答)をみると、多い順で「職員確保難」が69.9%、「人件費の増加」が62.2%、「人件費以外の増加」が49.0%となった。「人件費以外の増加」は3月調査より15.1ポイント増加した。
原油価格や物価高騰による影響では、「影響を受けている」と回答した施設が約9割の88.5%。このうち、令和4年度上半期のサービス活動費が前年同期より5%以上増加する見込みと答えた施設は48.9%だった。
影響が大きいと見込まれる勘定科目は、多い順に水道光熱費(95.6%)、車輌費(ガソリン代等)(52.5%)、給食費(52.5%)となった。
介護職員の賃上げの状況では、介護職員処遇改善支援補助金の実施に伴い、97.1%の施設が、令和4年4月から賃上げを実施していた。