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速報(JS-Weekly)

障害福祉現場における賃上げ・物価高騰・離職等の状況調査を実施

#障害福祉現場における賃上げ・物価高騰・離職等の状況調査

▶処遇改善施策フル活用も全産業との賃金差の拡大が判明

 日本知的障害者福祉協会を含む4団体は5月15日、昨年度に引き続き実施している「障害福祉現場における賃上げ・物価高騰・離職等の状況調査」の結果を公表した。調査を行ったのは日本知的障害者福祉協会、全国社会就労センター協議会、全国身体障害者施設協議会、全国社会福祉法人経営者協議会の4団体。

 調査結果を受けて、4団体は次の通りコメントを発表した。

 未曾有の物価高騰とともに、全産業において急速な賃上げが進む中、障害福祉分野においては令和6年度報酬改定による処遇改善加算の拡充や、同年度補正予算による人材確保・職場環境改善等にかかる補助などの支援施策が講じられ、人材確保のための処遇改善に努めている。しかし、現場実感としては人材不足の慢性化、全産業との賃金差の拡大等によって他産業への人材流出が懸念される状態だ。もはや経営努力のみでの対応は困難であり、必要な人材を確保し質の高い支援を提供し続けていくことが喫緊の課題となっている。今回の調査は、こうした賃上げ・物価高騰等をめぐる実態を明らかにするため、実施したもの。回答は1,453事業所から得た。

 調査結果からは、障害福祉事業所が処遇改善施策をすでにフル活用しているにもかかわらず、全産業との賃金差がさらに拡大していることが明らかになった。また、光熱水費・燃料費や食材料費の高騰が続く困難な状況において、各事業所は対応可能な限りの経営努力により、処遇・職場環境改善を行い人材の確保に取り組んでいるが、さらなる財政支援がなければ他産業への人材流出は避けられない。

 今回の深刻な調査実態を踏まえ、同団体では国に対し、

 ①支援の質を確保するための早急な処遇改善、障害福祉サービス等報酬の臨時改定

 ②全産業の賃上げと物価指数に連動する仕組みの導入(賃金スライド制・物価スライド制)

 ③種別制度間で異なる処遇改善の仕組み・運用の一元化、対象職種等と法人裁量のさらなる拡大

 ④光熱水費・燃料費、食事提供費等の物価高騰対策にかかる財政支援の拡充

 の4点を緊急に提言・要望すると表明した。

(参考資料:http://www.aigo.or.jp/chousayoubou0515.pdf