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速報(JS-Weekly)

独居の認知症高齢者のための訪問看護ガイドを公表

#独居の認知症高齢者 #4つのステップで支援 #ホームページ上で無料公開

 東京都健康長寿医療センター研究所では、訪問看護師が必要な知識と技術を持って支援することが求められるとして、独居認知症高齢者の自立生活を支えるための訪問看護の実践ガイドを作成。ホームページ上で無料公開している。

 同研究所によると、近年の日本の統計データで認知症高齢者の約20%以上が独居生活であると推算できるという。ガイド内では、そうした認知症高齢者が豊かなひとり暮らしを送るための支援ニーズを提案。最重要課題として認知症のある人の尊厳を守った「本人中心によるケア」と、医療と介護の連携など「多職種協働」という2つの支援アプローチを挙げている。

 さらにこのアプローチを完璧にするために必要である4つのステップに分かれた計18項目のチェックリストを記載。「コミュニケーションと関係づくり」「本人理解と生活アセスメント」「多職種と協働した個別的支援」「予測的判断と意思決定支援」について実践のヒントを提供、支援の質を向上させるためのアドバイスも含まれている。

 中でも「多職種との協働」については医療・介護・福祉職の間で適時適切に情報共有を行い、支援方針について合意形成することが重要であるとした上で、実践のヒントとして定期的なケースカンファレンス、情報共有ツールの活用、役割分担の明確化、利用者と家族を含めた合意形成が挙げられている。

 独居の認知症高齢が現在の生活を続けるか、施設入所など新たな生活環境に移行するか。その時期や選択には本人と家族の意向を丁寧に聞き取ることが重要だ。今後は訪問看護師と介護施設関係者のさらなる連携が求められる可能性もある。

 

参考資料:https://www.tmghig.jp/research/publication/houmon-kango/