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速報(JS-Weekly)

介護離職者の休暇制度未使用が54.7%に

#今4月施行 #育児・介護休業法  #周知や利用広がらず

 株式会社東京商工リサーチは、4月1日に施行された改正育児・介護休業法について、1日~8日にインターネットによる企業アンケートを実施。事業規模で意識の違いが大きいことがわかった。

 育児や介護による離職問題が深刻化しつつあることを鑑みて、厚生労働省は令和6年5月に育児・介護休業法及び次世代育成支援対策推進法を改正、今年4月1日から段階的な施行を始めた。

 改正ポイントとして「子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充」「育児休業の取得状況の公表義務の拡大や次世代育成支援対策の推進・強化」「介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化」等が挙げられている。

 東京商工リサーチが4月1日~8日に実施した企業アンケート(有効回答5,570社)の集計・分析によると、「介護離職の発生」は7.3%にとどまっているものの、介護離職者のうち介護休業や休暇を利用する社員がいない企業は54.7%と半数を超えていることが明らかになった。

 また、「仕事と介護の両立に十分に取り組んでいる」は19.8%で、大企業と中小企業に差がなかった一方で、介護や育児休業・休暇が「発生していない」大企業22.7%に対し、中小企業では61.7%と3倍近く開いていた。さらに、介護休業で取得できる93日間について、「長い」は大企業が16.0%、中小企業が35.0%と休業期間への温度差も大きかった。

 これらの結果から、親世代などの高齢化が進む中で、制度の認識の遅れや利用しにくい環境が明らかになったとともに、介護休業や休暇の基準や取得のしやすさについて大企業と中小企業に差があり、両立支援に格差が広がっていることも見えてきた。

 特に介護は時期や期間も想定が難しいため、企業の支援が重要になる。改正した育児・介護休業法の周知の徹底や相談窓口の開設などについて、企業や社員相互のさらなる意識改革が必要とされるだろう。