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第10回正副会長・委員長会議(拡大)開催 女性のキャリア継続のためのデュアルキャリアについて講演 など
2024.4 老施協 MONTHLY
第10回正副会長・委員長会議(拡大)開催
女性のキャリア継続のためのデュアルキャリアについて講演
1. 他産業に取り残されることなく、介護業界の賃金をあげるには
2. 介護業界で女性がさらに活躍し、人材確保するために必要な視点
全国老施協は3月13日、第10回正副会長・委員長会議(拡大)のテレビ会議を開催した。まず3月4・5日に開催された介護報酬改定に関する令和5年度経営戦略セミナーには、会場とライブ配信で751名もの参加者があったことに大山知子会長が謝辞を述べた。
そのだ修光常任理事は、春闘の時期に思うこととして、他産業が毎年賃上げしていくのに対し、介護報酬改定は3年に1度しかないことにふれた。我々だけが取り残されてしまうことがないように給与をあげていくためには、全員で協力して取り組んでいかなければならないこと。当日の講演テーマでもある「女性のキャリア継続」のためにも介護の現場が働く人にとって魅力的な職場となるように頑張っていきたいと語った。
講演に先立って大山会長は、介護業界は女性の働き手が8割を超えていることや、介護人材不足が喫緊の課題となっている中で、これから人材を確保するためにはどのような工夫が必要か。他業界にアドバンテージを取るためのヒントを今日の講演から見いだしてほしいと語った。
日本女子大学人間社会学部教授周燕飛氏による今回の講演テーマは「女性活躍とデュアルキャリア支援」。デュアルキャリア(DCC)とは夫婦ともに正規雇用で就業している夫婦のこと。日本では共働き夫婦は増えていてもDCCは子育て世帯の4分の1 程度と少ないのは、子育てが一段落した時点での正規雇用のチャンスが諸外国に比べて少ないからなのではないか。
また受け入れる企業側の問題だけでなく、働く側にも家事や育児と仕事のバランスがとれないことや、「夫が家計を支え、妻が家庭を守る」という生活に根付いた考え方などの要因があると語った。女性がキャリアを得て活躍するためには、夫の家事・育児参加やアウトソーシングによる家事・育児総量の削減、働き方改革などの支援が必要で、働き方の柔軟性を高めるために、ICTの活用や業務内容の標準化等を通じて労働者の「分身」を用意することが大切であるという新しい視点を提示した。
委員会・部会の活動報告 主要ポイント
広報委員会 | 〇第16回介護作文・フォトコンテストは、全ての受賞作品が確定。HPで受賞作品を公開しているほか、月刊老施協3月号では巻頭特集で紹介する 〇令和6-7年度定期刊行物(月刊老施協、JS-Weeklyなど)のリニューアルに向けて準備中 |
特別養護 老人ホーム部会 |
〇離島・過疎地域における小規模特養の事業継続モデル研究事業では第3回研究会を開催(3月7日)。今後のスケジュールと報告案について協議 〇経営戦略セミナー(3月4日~5日開催)には、751名が参加。会員からの要請を受け、オンデマンド動画配信のみの追加申込について検討中 〇収支状況等調査の報告書を全国老施協HPにて公開中。県別集計表および個別分析表についても今月中に公開を予定している 〇参考事例(重説、運営規程、契約書のひな型)については公開に向けて精査中 |
養護 老人ホーム部会 |
〇被措置者数等調査は、3月11日現在の回答率84.8%、未回答は140施設 〇養護老人ホームブロック代表者会議を3月11日に集合兼WEB型で開催 傍聴者は約100名。養護老人ホームに関する最新情報や各地域における現状等を報告し、課題等に関する協議を行う |
デイサービス センター部会 |
〇経営戦略セミナーにて、デイに関する改定内容と今後の戦略を説明 〇デイサービス事業継続等相談支援・最終報告会(WEB)を3月22日に開催予定 |
ロボット・ICT 推進委員会 |
〇実証施設の対談は、YouTubeチャンネルで3月25日公開予定 〇実地研修は、次年度も継続予定 参加施設数 前期64施設、後期52施設 参加人数 前期210名、後期184名 |
研修委員会 | 〇介護施設における法律実務研修を開催。令和6年3月13日から申込開始(オンデマンド動画配信) 〇令和5年度自立支援総合研修(オンデマンド動画配信。配信期間は令和5年12月25日~令和6年3月29日)は、3月8日にて申込終了。276施設(うち非会員3施設)が受講 〇令和5年度社会福祉法人会計基準実践的基礎・決算講習(オンデマンド動画配信。配信期間は、基礎:令和5年12月11日~令和6年3月8日、決算:令和5年12月25日~令和6年3月29日)。基礎は267施設(うち非会員4施設)、決算は131施設が受講 |
老施協総研 運営委員会 |
〇令和6年度調査研究助成事業二次審査会を3月8日に実施。条件付きの研究を含む5件を採択 |
大会・フォーラム 委員会 |
〇第3回全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバルin滋賀~の現地視察・打ち合わせを3月1日に実施 〇第2回全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバルin岐阜~における分科会実践研究発表最優秀賞審査会を2月21日に実施し、最優秀賞を決定。最優秀賞受賞式を3月19日の第51回総会前に行う |
JS次世代委員会 | 〇令和5年度第1回JS次世代ワールドカフェin鹿児島(2月27日、28日)を開催。事前申し込み者78名。当日参加数およびアンケート結果は集計中 |
災害対策委員会 | 〇令和6年能登半島地震による災害関連 ①全国老施協DWAT派遣状況…3月11日現在、石川県内の施設9施設で40チーム149名が活動。現在1都1道30県2市より1313名が登録 ②義援金…2月29日現在73,362,897円 〇災害見舞金を支給(令和6年能登半島地震) 新潟県 特別養護老人ホームジェロントピア新潟 200,000円 富山県 特別養護老人ホーム つまま園 100,000円 |
実践研究発表における最優秀賞の授与式を開催
昨年11月に開催された第2回JSフェスティバルin岐阜の実践研究発表において、 稚内市養護老人ホーム富士見園の施設長山内正人さんが栄えある最優秀賞を受賞。 その授与式が3月19日に行われ、山内さんが喜びの言葉を語った。
山内正人さんのコメント(一部抜粋)
「最優秀賞に選んでいただき、心より感謝申し上げます。職員一同大きな喜びを感じておりますし、私自身この取り組みに中心的に携わることができたことを誇りに思います。法人内で老人福祉施設協議会を立ち上げたときに、最北の町から全国へという思いで、サービスの質の向上、地域福祉の発展に尽力してきたという思いがあったからこそ、今回、全国一位という評価をいただいたことは本当に感無量であると、当法人の常務理事も申しております。災害が起きたときに、被災した状況で業務を続けなければならない私たちにとって、今回発表した災害図上訓練は非常に有益でした。地域でのリアルな災害を想定し、具体的な対応策を職員が自由に議論し合ったことで、職員の当事者意識の向上にもつながりました。私達の訓練の内容にご興味のある方はぜひお気軽にご連絡ください。防災訓練に悩む施設の皆様の役に立ち、地域における最後のセーフティーネットとして頑張っている全国の仲間たちへのエールになれば嬉しい限りです。」
「災害は“もしも”の話じゃない!!~防災力強化の実践~」
大規模災害を想定したリアルな災害シナリオを作成し、それをもとに参加者が地図を囲んで図面上で被害状況の把握や与えられる役割についての対応策を検討するという内容。訓練によって組織のチーム力の向上だけでなく、関係機関や近隣住民との信頼関係が築かれ、有事の際の協力連携につながるという効果があった。
〈 審査会の講評 〉
単なる避難訓練にとどまらず、大規模災害図上訓練の内容はわかりやすく、想定訓練としては理想的な報告であった。また、地域も巻き込んでできているところも素晴らしく、DIGを用いた訓練が広がる契機になることを期待しての受賞となった。
全国老施協第51回総会にて令和6年度の事業計画(案)、
収支当初予算(案)、 資産運用計画(案)が可決承認
3月19日に全国老施協第51回総会が開催された。総会の冒頭では大山知子会長より、昨年12月に確定した介護報酬改定について尽力された関係各所への感謝の思いと共に「今後もぜひご協力をいただきながら我が事として活動していただきたい」と述べた。また能登半島地震に関して「復興にはまだ遠い道のりがあり、引き続き私たちができることを皆さんの協力の下で支援していきたい」と語った。続いてそのだ修光常任理事が登壇し「多くの課題を解決するために老施協がある。今後も一緒に頑張っていきたい」と述べた。
今回提出されたのは3議案。賛成多数によりすべて原案通り承認可決された。
第1号議案 令和6年度事業計画(案)について
基本方針として、会員数の減少によって将来的な会費収入の確保が課題となる中、費用対効果の視点で事業の見直しを行い、スクラップアンドビルドの考え方で事業の深化に努める。以下の重点事項の他、組織の管理体制強化、公益目的事業に関わる各委員会等の運営計画が発表された。
2. 経営力の強化
3. 介護現場における生産性の向上
4. 介護人材確保に向けた取り組み
5. 女性キャリアアップの推進
6. 他団体との連携強化 都道府県指定都市老施協 デイ協への支援、役割分担の検討
第2号議案 令和6年度収支当初予算(案)について
正会員及び賛助会員の受取会費や事業収益等の経常収益に対して、重点事項を始めとする公益目的事業、表彰事業等の会員を対象にした事業、法人運営事業の3つの区分で経常費用を組み立て、収支差額が913,000円となる収支のバランスをとった予算編成について説明された。
第3号議案 資産運用計画(案)について
研修事業等積立資産、災害等支援事業積立資産及び資産取得資金の資産運用計画について説明された。
★能登半島地震の被災地での支援活動の様子は、コチラでご紹介しています。