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医療DX推進に向けた法整備、厚労省が議論開始
#医療DX推進 #支払基金改組 #医療情報活用
厚生労働省は8月30日に開催された第181回社会保障審議会医療保険部会において、医療デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けた法整備に関する議論のテーマを提示した。これに基づき、全国医療情報プラットホームの構築や医療情報の二次利用の促進、そして社会保険診療報酬支払基金の抜本的な改組に向けた議論が、今後、医療保険部会と医療部会の二つの部会で行われる予定である。両部会は、9月から12月までの間に月1回程度のペースで会合を開き、年末までに議論を取りまとめる計画である。厚労省は、来年の通常国会に関連法案を提出することを視野に入れている。
●法整備に向けた3つの主要テーマ
今回の法整備に向けた議論のテーマは、大きく3つに分かれている。まず一つ目のテーマは「全国医療情報プラットホームの構築等」である。具体的には、電子カルテ情報共有サービスの構築、PMI(自治体と医療機関をつなぐ情報連携基盤)による公費負担医療制度の資格情報連携、そして診療報酬改定DXの推進が検討される。
二つ目のテーマは「医療等情報の二次利用の推進」である。ここでは、電子カルテ情報に関する公的データベースの構築、医療・介護の公的データベースにおける仮名化情報の利用・提供、情報連携基盤の構築、利用手続きのワンストップ化、そしてコードの標準化が議論の対象となる。
三つ目のテーマは「実施体制の整備」、特に社会保険診療報酬支払基金の抜本的な改組である。この改組により、支払基金は「医療DX推進機構(仮称)」に移行し、国のガバナンス強化と迅速・柔軟な意思決定を目指す計画である。
●支払基金改組に対する意見
医療保険部会では、支払基金の改組に関する意見も交わされた。佐野雅宏委員(健保連会長代理)は、法整備の議論を進めることに同意しつつも、オンライン資格確認や電子処方箋の導入が計画通りに進んでいないことに苦言を呈した。また、標準型電子カルテの本格版提供を2030年度末までに計画している厚労省に対し、導入準備期間の費用負担は国が行うべきだと指摘した。
城守国斗委員員(日本医師会常任理事)は、支払基金の改組に際して、適切な審査と迅速な支払いが基金の本来業務であることを強調し、医療機関との信頼関係を維持することの重要性を訴えた。城守氏は、改組の際にもこの信頼関係が損なわれないよう求めている。