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介護報酬改定の検証、4つの調査研究を9月から開始
#介護報酬改定の検証
厚生労働省は8月28日、令和6年度の介護報酬改定に向けた検証を目的に、今年度実施予定の4種類の調査研究事業の調査票案を社会保障審議会・介護給付費分科会の改定検証・研究委員会に提示した。これらの調査は、9月中旬に分科会での審議を経て、同月中に開始される見通しである。
今回の調査研究事業では、以下の4つのテーマに焦点を当てている。
1.高齢者施設等と医療機関の連携体制の現状
2.福祉用具貸与価格の適正化
3.リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔ケアの実施及び一体的取組
4.地域の実情や事業所規模などを踏まえた持続的なサービス提供の在り方
特に「持続的なサービス提供」に関する調査では、訪問系、通所系、居住系、施設系のサービス別に調査票を作成し、各事業所の経営面での課題や今後の見通しを探る。具体的には、人材確保の困難さや介護テクノロジー導入の課題などについて、詳細に尋ねる。また、訪問系サービスにおいては、「移動時間の長さ」「医療的ケア・処置が必要な利用者の多さ」「職員のスキル不足」といった課題を選択肢として設け、サービス提供の上での問題点を調査する。対象事業所は、都市部、中山間・離島、その他の3区分から無作為に抽出される。
自治体に対する調査も併せて実施される予定であり、全国の都道府県と市町村に対して、介護サービスの充足状況や人材確保に向けた支援の現状を尋ねる。特に、資源が乏しい地域における介護サービスのニーズや提供実態を把握することが狙いである。
また、「医療機関との連携」に関する調査では、介護保険3施設や養護及び軽費老人ホームを対象に、連携する協力医療機関の数やその選定理由、定期的な会議の開催状況などを把握する。連携が行われていない場合には、「休日・夜間の対応が困難で提携を断られた」「周辺に医療機関が少ない」「どこに相談すればよいかわからない」といった理由を選択肢として設け、回答者の負担を軽減するために多くの質問が選択式で構成される予定である。