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末期がん患者の介護認定、迅速化を求める声に対応
#全がん連の桜井理事 #政府方針を歓迎
政府は6月にまとめた「規制改革実施計画」において、末期がん患者が介護保険を速やかに利用できるよう、要介護認定を見直す方針を示した。この方針に対し、全国がん患者団体連合会(全がん連)の桜井なおみ理事は、政府の動きを歓迎するとともに、「内閣府や厚生労働省も同じ方向を見てくれた」と評価した。
実施計画では、要介護認定の申請から認定までの「認定審査期間」が法定の30日以内に収まっていない自治体が9割以上に及んでいることが指摘された。特に末期がん患者については、病状の進行が速く、ADL(活動日常生活)の低下が顕著であることから、認定を待たずに死亡するケースや、認定された要介護度と実際の状況との乖離が生じることが問題視されている。
桜井理事は、規制改革推進会議の「健康・医療・介護ワーキンググループ(WG)」の専門委員を務めており、3月のWG会合で、末期がん患者が迅速に介護保険を利用できるよう、「カルテ情報に基づく病態によって迅速に承認する仕組み」を提言していた。これに基づき、厚生労働省は、認定審査期間を保険者別に毎年度調査・公表することを求められた。
さらに、実施計画では、医師の診断書提出を要件とし、「がんの進行度等に応じて速やかに認定を行う方法」の検討が求められている。全がん連は、主治医意見書を保険者が受け付けた段階で、要介護1・2以上に認定するべきだと主張している。在宅介護に必要な福祉用具が利用できる条件を早期に満たすためである。
桜井理事は、「患者は長い間苦慮している」とし、今後も要介護認定の迅速化と適正化に向けた提言を続けていく意向を示した。政府の対応は、末期がん患者の支援を強化するための重要な一歩となると期待されている。
(参考資料:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_plan.html)