最新情報
訪問介護事業の持続可能な運営に向けた課題と対応策
#訪問介護事業 #訪問介護事業所の現状
独立行政法人福祉医療機構が行った2022年度の訪問介護事業者の経営状況分析によると、全体の42.8%の事業所が赤字経営に陥っていることが明らかになった。この赤字割合は前年から2.7ポイント増加しており、特に経費率の上昇が収益性に深刻な影響を与えていることが浮き彫りになっている。
2022年度のサービス活動収益対サービス活動増減差額比率(以下「サービス活動増減差額比率」)は、前年から1.5ポイント低下して5.8%となった。経費率が前年から1.3ポイント上昇して16.8%となっておりその原因となっている。
黒字事業所と赤字事業所の間には顕著な収益差があり、黒字事業所の平均サービス活動収益は51,896千円であるのに対し、赤字事業所は27,124千円にとどまっている。これにより、サービス提供回数の多寡が収益に大きな影響を与えていることが示されている。黒字事業所は、より多くのサービス提供を行うことで収益を確保しており、逆に提供回数が少ない事業所は経営が厳しくなる傾向が強い。
さらに、人件費率の違いも収益性に影響を与えている。黒字事業所は、サービス提供回数を増やしつつ、効果的な人件費管理を行うことで収益を確保しているが、赤字事業所ではこのバランスを取ることが難しく、結果として経営が厳しくなっていることが分析から明らかになった。
訪問介護事業は、地域包括ケアシステムを支える重要な役割を担っているが、ヘルパーの高齢化や人材不足といった構造的な課題にも直面している。このような厳しい状況の中で、事業所の経営を安定させるためには、効率的なサービス提供と経費管理がますます重要となっている。
(参考資料:https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/240809_No002.pdf)