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介護人材確保を最重要課題に処遇改善加算算定の支援へ
#介護人材確保 #他分野からの介護関心促進
厚生労働省の老健局長に就任した黒田秀郎氏は7月23日、専門紙の共同取材で介護人材の確保を重要課題として挙げた。令和6年度介護報酬改定で新設された処遇改善加算が幅広い施設・事業所で算定されるよう、支援に意欲を示した。「他分野(の労働者)から介護に関心を持ってもらうことを意識した取り組みも必要」とし、具体的な方策を関係団体と共に協議する意向を示した。
厚労省は7月12日、第9期介護保険事業計画(2024~2026年度)に基づき、介護職員の2026年度の必要数を約240万人と発表した。現在の215万人のまま推移すると、25万人不足する計算となる。
黒田氏は、処遇改善加算を算定する介護保険施設・事業所が増え、賃金水準が上昇すれば人材確保につながるとの認識を示した。「まずは(加算が)行き渡るように、私たちも汗をかいていきたい」と述べた。また、「介護を最初から志す人が頭打ちか、減り気味になっている」と指摘し、介護を転職先として選んでもらう取り組みも進めるべきだとした。さらに、ICT機器の活用により介護の働き方が変わっていることを発信する必要性も強調した。
令和6年度改定の検証に当たっては、基本報酬が減った訪問介護を含め、処遇改善加算の算定状況や人口減少が見込まれる地域の小規模事業所への影響を重点的に調べると説明。検証結果がまとまれば、「現場のお知恵をお借りして、どういう支え方が良いのか多角的に支援方法を考えたい」とした。
認知症施策にも触れ、認知症施策推進基本計画の素案を作成する関係者会議には複数の認知症当事者の委員が参加し、積極的に発言していることに言及。「その運び自体が認知症に対する世間の見方を少しずつ変えるきっかけになれば」と期待を寄せた。
黒田氏は2018年7月から2年間、老健局総務課長を務め、2020年7月からは大分県の副知事として医療・介護を中心に県政全体を担当した。大分では、介護予防や地域包括ケアシステム、医療・介護連携の取り組みで成果を上げており、「そうした取り組みも今後の局長の仕事に生かしたい」と語った。