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ケアマネジャーの業務範囲と人材確保の課題を検討―厚労省が初会合
#ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 #ケアマネジャーの業務範囲と人材確保
厚生労働省は4月15日、ケアマネジメントに関連する多数の課題について議論するため、「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の初会合を開催した。この会合では、ケアマネジャーの業務範囲、人材確保、法定研修、情報通信技術(ICT)の活用による負担軽減など、広範囲にわたる問題点が取り上げられた。
会合の冒頭で、老健局長の間隆一郎氏は「ケアマネジャーが専門性を発揮できる環境整備と人材確保が急務である」と強調した。検討会の座長には田中滋・埼玉県立大理事長が就任し、専門職団体や有識者ら12人が委員として参加している。
2022年度のデータによると、ケアマネジャー従事者は全国で18万3278人、居宅介護支援事業所は4万3035カ所に上るが、これらは共に減少傾向にある。事業所の約40%はケアマネジャー1人または2人で運営されており、利用者の増加に対応できていないのが現状。さらに、利用者の課題が多様化している中、ケアマネジャーには本来の業務範囲を超えた支援も求められており、無償での対応が現場の大きな負担となっている。
厚労省の調査では、業務範囲外の依頼に対応する事業所が約7割に上り、「緊急性が高いため対応せざるを得なかった」という理由が最も多く挙げられた。人材確保の課題としては、「実務研修後の入職者が少ない」「早期離職が多い」という問題が指摘され、新規採用が困難な要因としては「低賃金」「業務範囲の広さ」「事務負担の大きさ」が上位にリストアップされている。
この日の会合では、業務範囲の整理と明確化が必要であるとの共通認識のもと、他の専門職との役割分担やケアマネジメント自体の再検討が提案された。介護保険制度の改正も視野に入れ、秋ごろには中間整理を行い、具体的な改善策が期待されている。この検討会が、ケアマネジャーの質の向上と業務の効率化をどのように推進するかが注目されている。
参考資料: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_39680.html