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〈政府〉
規制改革推進会議で、事業所の管理者など人員配置基準等の見直しを要請
JS-Weekly No.881
#規制改革推進 #人員配置基準 #管理者
介護施設等における生産性向上や働き方の多様性の配慮が必要
政府は6月1日、規制改革推進会議を開き、令和5年度の答申「転換期におけるイノベーション・成長の起点」をまとめた。
答申では、「日本の医療・介護が直面する最大の課題は人口構造の変化である」として、生産性年齢人口が急減していく中で、医療機関や介護施設等における生産性向上や働き方の多様性への配慮が必要と指摘。働き方の変化への対応・運営の合理化として、医療や介護サービスでは置き換え可能な業務では可能な限り、ロボット等に置き換えていくこと、マネジメントを徹底的に磨き上げることで職員が働きやすく、やりがいのある環境を構築していくことが重要と強調した。
事業所の管理者が兼務し得る範囲や有資格者の常勤・専任要件などの見直しを要請
介護の分野では、人手不足がますます深刻になっていく今後を見据え、「介護サービスにおける人員配置基準の見直し」や「報酬制度における常勤・専任要件の見直し等」、「医療・介護・保育分野における人材確保の円滑化のための有料職業紹介事業等の制度の見直し」を実施事項に挙げた。
特に介護サービス事業所の管理者については「経営能力を持つ人材には限りがある」などとして、サービス種別にかかわらず、例えば、同一・隣接または近接の敷地に所在する複数の事業所について、1人の管理者が兼務可能となる範囲を検討するよう求めている。
管理者は、現在でも事業者の人員、設備、運営基準において、管理業務に支障がない場合は同一事業所・施設内での職務の兼務などが認められているが、さらなる緩和を求めるもの。
また、介護サービスの人員配置基準に係る地方公共団体による独自ルールの有無・内容などを整理し、公表することについても検討するよう求めた。
介護サービス事業所等における有資格者の常勤・専任の配置要件については、「非常勤あるいは兼任でも医療・看護・介護の質には問題が生じないのではないか」などの指摘があるとして、介護報酬などの改定にあたり、サービスの質が担保されることを前提として必要な検討を求めた。
これらの具体策は、厚生労働省の社会保障審議会(介護給付費分科会)で詰めていくよう求め、令和6年度の介護報酬改定を念頭に、何らかの措置を令和5年度中に講じることとしている。