8万8000人以上が来場し、ハンドメードから最先端技術まで、福祉機器の今・未来が分かるアジア最大規模の国際展示会「国際福祉機器展」が、10月5から7日にかけて東京ビッグサイトで開催された。編集部が注目する4つのキーワードをトピックに、同イベントで講演会を行った高齢者生活福祉研究所所長・加島 守さんの視点と共に最新の福祉機器を紹介していく。

Qolo 起立リハビリモデル（右）／モビリティモデル（左）
●Qolo株式会社

起立訓練を支えるリハビリテーションモデルは、機能改善に応じたアシストで重介助を軽減しながら繰り返しの起立訓練を実現する。立ち上がって移動することを支えるモビリティモデルも同時に開発中だ

CYBER BOCCIA S（サイバーボッチャS）
●株式会社ワントゥーテン

ルールはそのままに、審判いらずで誰もがプレーできる最新型ボッチャ。試合状況やプレーヤーの様子が付属のビジョンに映し出され、日英中の3カ国語のマルチリンガルナビシステムで多くの利用者と楽しめる

仮称（SAT）聴覚視覚発話刺激に対応した言語機能支援アプリケーション
●シスネット株式会社

発話機能を口型動画・音声・絵カードで訓練するアプリケーション。約4000語の短文や単語が収録されており、さらに最寄りの駅名などのオリジナルの言葉も対応可能だという

筋電位電動車いすコントローラー WH1
●システムデザイン・ラボ／北陸大学 服部研究

センサーを頭部に装着し、奥歯のかみ込みでPCや電動車椅子の操作を補助。ジョイスティックがうまく操作できない人や、視線入力するほど困っていない方に最適

ワードクラウド・ミーティング
●筑波大学 デジタルネイチャー研究室/xDiversity

発言した人物の背景に言葉が表示されるシステム。ろう・難聴の方がビデオ会議などに参加する際、誰が何を言ったのかが一目瞭然

透明ディスプレイモニタRælclear（レルクリア）
●株式会社ジャパンディスプレイ

高い透明度を持ち、両面に鮮明な表示ができるディスプレイ。ろう・難聴の方とのスムーズなコミュニケーションをサポートしてくれる

VR旅行／VR吹き矢
●一般社団法人デジタルステッキ／東京大学先端科学技術研究センター身体情報学分野

高齢期福祉を拡張するXRアプリケーション。外出困難な本人に代わり心に残る風景を巡ったり、VR空間上で吹き矢体験が楽しめる

視覚障害者の歩行アシスト機器「seeker」
●株式会社マリス creative design／国立大学法人九州工業大学／株式会社マクニカ／NTTコミュニケーションズ株式会社

視覚障害者の安心・安全な歩行を実現するシステム。頭部に装置を着けることで、駅のプラットホームの検知や横断歩道や信号の検知を行い、危険を使用者に振動で提示してくれる。現在実証実験中で、実用化に期待したい

オゾン式空気清浄機 careAir
●ハカルプラス株式会社

オゾンとマイナスイオンを放出し、空間を丸ごと消臭・除菌・除塵。気軽に設置できるサイズで、フィルターがなく、お手入れも簡単

業務用加湿空気清浄機 ピュアウォッシャー
●株式会社クボタ

推奨適用面積100〜200㎡と、食堂やデイルームなどの広々とした空間に対応した大型空気清浄機。除菌・消臭・加湿効果も

Air Force（エアフォース）
●株式会社BONDS

水成二酸化塩素の極小ミストを噴霧し、空間に浮遊するウイルス、臭い、ハウスダストなどを不活化。エアフォースはフィルターもなく、カルキも自動洗浄するため、手入れも楽々

移動サポートロボット ハグ T1-02
●株式会社FUJI

脱衣所やトイレでの立位保持をサポート。スリングシート不要でサッと準備が可能に。介助者の腰への負担軽減、一人介助の実現に役立つ。各種補助金の対象となっている

ぶらん歩
●株式会社モリトー

ベッド周りをアクティブな生活空間に変える歩けるスリング。ベッドと車椅子で長時間過ごしている方の安全な座位移動を可能にし、自立支援の第一歩をサポートしてくれる

モーリフト レイザープロ
●パシフィックサプライ株式会社

利用者自身の能力を生かして、立ち上がりをサポートするスタンディングマシン。専用オプションの補助ベルトやストラップを使用することで、立位保持中のサポートや座位から立ち上がる補助をしてくれるという