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〈厚生労働省〉
第156回社会保障審議会医療保険部会を開催 医療保険制度改革の大枠決まる
JS-Weekly No.854
#後期高齢者医療 #所得割 #均等割 #前期高齢者納付金
所得割適用被保険者の保険料を増額し、現役世代の負担を軽減
厚生労働省は10月28日に「第156回社会保障審議会医療保険部会」を開催し、医療保険制度改革の大枠を決めた。低所得者層を除く後期高齢者の保険料を引き上げる方向性を示し、早ければ令和6年度から引き上げる方針。今回の改革は、高齢者の医療費の増加に伴って、支え手である現役世代が支払う保険料も急増しているため、後期高齢者の保険料を増やして現役世代の負担を軽減させることが狙い。
後期高齢者の保険料は原則、所得に応じて負担する「所得割」と所得に関係なく支払う定額の「均等割」が1:1の比率で構成されている。今回の改革では、所得割が適用されている被保険者(年金収入が153万円超)の保険料を増額する見込み。また厚労省は、年金収入のみで888万円を超える高所得者の保険料負担を増やすため、賦課限度額(上限額は年額66万円)の引き上げも予定している。
現役世代の保険料負担、高齢者と同程度以下の伸び率になるよう見直しへ
後期高齢者が医療機関の窓口で支払う医療給付費(自己負担額を除く)のうち、現役世代の保険料負担(後期高齢者支援金)で約4割を賄っている。後期高齢者医療制度が創設された平成20年度以降、1人当たりの保険料負担は高齢者世代が1.2倍になったのに対し、現役世代は1.7倍と負担が重くなったことから、医療保険部会では「少なくとも高齢者と同程度以下の伸び率になるよう、後期高齢者の保険料負担割合を見直すべき」との意見が出た。
また、前期高齢者納付金についても、「各被保険者の所得を考慮していないため不公平」との意見が出ていることから納付金の調整基準を見直し、被保険者の所得状況を反映して納付金の額を決定。この見直しにより、平均賃金の高い健康保険組合などの負担が多くなる見込み。
このほか、令和5年度に国民健康保険の保険料の賦課限度額を104万円(現在は102万円)へ引き上げる方針。国保は一般的に低所得者が多く、保険料率が高い傾向にあり、賦課限度額を引き上げることで、低・中所得者層に負担を求めることなく制度の持続可能性を高めるのが狙い。