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物価高騰対策の要望活動を速やかに展開 臨時交付金を活用した予算獲得へ ほか

2022.09 老施協 MONTHLY

物価高騰対策の要望活動を速やかに展開
臨時交付金を活用した予算獲得へ

POINT

  1. 3団体連名の要望書は、全国老施協が全ての自治体へ発送
  2. 中央に続き、地域でも多方面から速やかに要望活動を展開

 全国老人福祉施設協議会、全国老人保健施設協会、日本認知症グループホーム協会は、8月19日、全国の自治体1788カ所(都道府県47カ所、市区町村1741カ所)に宛てて「物価高騰に対する高齢者福祉・介護施設等への支援について(要望)」を連名で発出した。

 要望書の内容は、国が定める公定価格で運営している高齢者福祉・介護施設等は、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策費用の増大に加え、物価高騰による影響に対し経営努力のみでは対応困難な状況にあること、運営に甚大な影響を及ぼしていることを訴え、各自治体の緊急的な支援策を求めるというもの。

 内閣府が物価高騰対策として示している「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の取扱について」(令和4年4月28日付通知)においては、地方公共団体の判断による臨時交付金の活用が可能な事業として「学校給食費等の負担軽減」や「事業者に対する電気・ガス料金を含む公共料金補助」が挙げられている。高齢者福祉・介護施設等では、入所者等に給食を提供したり、施設管理などにおいて大量に電気・ガス等を消費しているため、この臨時交付金の活用が可能な事業の例示に該当する。厚生労働省の「令和4年度における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の取扱及びコロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』について」(5月9日発出)においても同趣旨が示され、7月27日付の通知で再周知も行われた。

 全国老施協では、他の2団体と共に、高齢者福祉・介護施設等への支援策として、臨時交付金を活用した予算が計上されるよう、要請活動を速やかに展開する。

 今後は、3団体がそれぞれの各都道府県等の関連組織に呼び掛け、地域での要望活動や、各会員施設からの要望活動を展開。高齢者福祉・介護施設等の窮状を訴え、理解を求める。具体的には、自治体内の担当部局や、首長へのアピールのほか、地方議会での議会請願、理解•発言力のある地方議員への要請などが考えられる。全国老施協では、地域での活動に使用できるよう、要望書のひな型をデータで提供する。


厚生労働省に要望書を提出
介護保険制度等の見直しに介護現場の要望反映を求める

POINT

  1. 特養の入所状況などの分析・周知、特例入所者要件の拡充を含めた見直しを
  2. 配置医や地域の医療資源の有効活用などによる医療アクセスの向上

 全国老施協は8月5日、大西証史老健局長、川又竹男社会・援護局長、田中誠二職業安定局長宛てに「介護保険制度等の見直しに関する介護現場の要望について」を提出した。次の項目についての現場の考えを伝えた。

(1)地域包括ケアシステムの更なる深化・推進

  1. 在宅・施設を通じた介護サービスの基盤整備、住まいと生活の一体的な支援
  2. 医療と介護の連携強化、自立支援・重度化防止の取組の推進
  3. 地域における介護予防や社会参加活動の充実
  4. 保険者機能の強化

(2)介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進

  1. 介護人材の確保
  2. 介護現場の生産性向上の推進
  3. 業務の効率化と経営の大規模化・協働化

(3)負担と給付

  1. 要介護度1・2の方を地域支援事業へ移行することについて
  2. 補足給付に関する給付の在り方
  3. ケアマネジメントに関する給付の在り方

(4)その他の課題

  1. 原油価格・物価高騰対策
  2. 介護サービス体系の簡素化
  3. 介護報酬改定等の決定時期の改善
  4. 介護報酬額の算定の基礎となる人件費比率の適正化
  5. 介護支援専門員の資格更新に係る研修の見直し
  6. 施設サービスにおける福祉用具のレンタル等
左:平石会長 右:大西老健局長

第5回正副会長・委員長会議(通常)を開催
組織全体の今年度の活動状況を確認・共有

POINT

  1. 長引くコロナ禍の中にあっても、それぞれの活動に注力
  2. 社会情勢が変化する中での、社会福祉法人の意義を考える

 全国老施協は8月17日、「第5回正副会長・委員長会議(通常)」をテレビ会議で開催した。平石朗会長は開会のあいさつで、新型コロナウイルス感染症の新規感染者などが全国で増加していることに触れ、対応に追われる会員各施設に向け、「とにかく命を守るための努力が必要。頑張っていきましょう」と呼び掛けた。

 NHK World News部の堀家春野氏を招き、同氏がさまざまな介護現場を取材してきた中で感じた問題点や今後の展望などについて話を聞いた。また、社会情勢が大きく変化する中で、社会福祉法人がどう見られているか、その意義などについて意見交換を行った。

経営戦略室 アプリのダウンロード数8月15日時点で7011件
特別養護
老人ホーム部会
小規模特養の経営状況に関する
調査研究事業(老健事業)スタート
養護老人ホーム部会
軽費ケアハウス部会
地方交付税についての合同勉強会開催
デイサービスセンター部会 デイサービス事業継続等相談支援スタート
介護人材対策委員会 ケアニン season2、総再生回数2万5000回超え
ロボット・ICT
推進委員会
全国老施協版介護ICT実証モデル事業の報告書取りまとめ最終段階に
研修委員会 はじめてのPC操作講座、心の免疫力を高めるワークショップ、安全対策担当者養成研修を実施
老施協総研
運営委員会
医療・介護連携における今後の事業の進め方を検討。LIFE事業、LIFE関連の調査結果等を確認
21世紀委員会 カントリーミーティング事業、代表者会議の開催を検討
災害対策委員会 全国老施協DWAT1都25県2市1053名が登録

「第1回全国老人福祉施設大会・研究会議 〜JSフェスティバルin栃木〜」 開催準備の進捗状況

POINT

  1. テーマ:介護新時代への前進 現場革新と科学的介護の新たなかたち
  2. 開催要項の決定、特設webページの公開に向けて検討大詰め

 全国老施協大会・フォーラム委員会は、8月24日の会議で、令和5年1月26日、27日に開催予定の「第1回全国老人福祉施設大会・研究会議 ~JSフェスティバルin栃木~」の進捗状況などについて報告した。

(1)全体会(1月26日)について

 常任理事会(8月5日)の協議結果や意見などを踏まえ、プログラム、タイムスケジュール、会場の使い方の調整案を作成。開催要項の確定を目指し、常任理事会(8月26日)で協議を行っていく。

 検討事項は、①「高齢者福祉介護全国サミット」にいて、②タイムスケジュールの再検討・調整、③介護機器展の再検討・調整、の3点が挙がっている。

(2)分科会(1月27日)について

  • 実践研究発表(ブロック推薦)
  • 特別講演は、各委員会(講師を選出、内諾済み)「特養」「デイ」「総研」「軽費ケア」「養護」「人材」が、各1時間の特別講演を企画している。
  • イベント会場のプログラム
    「全国老施協カレッジ」、「全国老施協徹底生討論」、「施設対抗大喜利大会」、「ご当地プレゼント抽選会」

デイサービスの経営改善を目指すコンサル事業
第2回集団コンサル&ワークを開催

POINT

  1. ワークや意⾒交換を⾏いながら課題を明確化し⽬標策定へ
  2. 経営側の考え、現場の考え、各指標を合わせて分析・解釈していく

 全国⽼施協デイサービス部会は8⽉24⽇、デイサービス事業継続等相談⽀援(オンライン)第2回を開催した。同事業は、経営改善を目指すデイサービス事業所が、株式会社TRAPE(トラピ)の指導による全6回のコンサルティング(集団指導⽅式)と個別相談を経て、経営改善計画の策定と実践を目指すというもの。25の事業所が参加、講義を受け、ワーク(シート作成やオンラインでのグループディスカッション)を行う。

 7月に行われた第1回では、⾼齢者介護の社会的背景や、地域で⾃分たちが置かれている状況を客観的に把握。どのようなデイサービスでありたいかなど、組織の外側の情報の整理・分析を行った。

 第2回は、組織の内側の情報を整理・解釈するため「介護経営における因果関係図」に自事業所の情報を入れ、現状の課題を明確化。そこに第1回で把握した経営指標を加えていくと、課題を進める上で、チェックすべき指標も⾒えてくる。ワークの中では、「同様の問題を抱えている事業所があることが分かった」「新たな課題などの気付きがあった」といった声が聞かれた。

 参加者は、各事業所で現場職員の意⾒も合わせて因果関係図を完成させ、優先課題のピックアップを行い、第3回「優先課題の絞り込みと原因分析」に臨む。


取材・文=早坂美佐緒(東京コア)