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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

総合確保方針の改定に向け、5つの視点を示す

JS-Weekly No.841

#働き方改革 #地域医療構想 #地域共生社会づくり

5つの視点を踏まえ、2040年も見据えた議論を

 厚生労働省は、7月29日に行われた第16回医療介護総合確保促進会議(座長=田中滋・埼玉県立大学理事長)において、「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)」の次期改定にあたり、5つの盛り込むべき視点を示した。5つの視点は、①人口構造の変化への対応、②「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築、③サービス提供人材の確保と働き方改革、④デジタル化・データヘルスの推進、⑤地域共生社会づくり。これらの視点を踏まえ、2025年だけでなく2040年も見据えて議論を深めるべきと提起した。

 「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築では、新型コロナウイルス感染症など新興感染症等が発生した際にも提供体制を迅速かつ柔軟に切り替えることができるような体制の確保のほか、外来医療・在宅医療については、外来機能報告制度を踏まえた紹介受診重点医療機関の明確化、かかりつけ医機能が発揮される制度の整備などを盛り込んだ。

 河本滋史構成員(健保連専務理事)は「地域医療構想の見直しを検討する場と連携しながら何らかの議論を行うべき」と提言。また、かかりつけ医機能については「かかりつけ医機能を担う医師、医療機関は地域包括ケアシステムの要であり、どのような役割を果たしていくべきなのか、方針に書き込む方向で検討すべき」と述べた。

 加納繁照構成員(日本医療法人協会会長)は人材確保について、外国人労働者の在り方を視点に加えることを要望。美原盤構成員(全日本病院協会副会長)はデジタル化に伴うランニングコストの問題や医療DXの視点も重要と力説した。武久洋三構成員(日本慢性期医療協会名誉会長)は人材確保に関連して、急性期病院に介護職員を配置することが必要と論じた。

地域医療介護総合確保基金、新型コロナ等の影響もあり執行率が約4割にとどまる

 厚労省は地域医療介護総合確保基金の執行状況や交付状況なども示した。執行状況については、医療分の「勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業」(事業区分Ⅵ)の執行率が低いとの指摘があり、さらなる周知が必要との意見が出た。新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、事業区分Ⅵの令和2年度の執行率は37.8%にとどまっている。交付状況については、事業区分Ⅵの令和3年度の交付額は67.4億円(国費45億円)で、7県で交付がなかった。

平石会長、地域医療介護総合確保基金について発言

 本会議の構成員である平石会長は、以下の意見を述べた。

 ICT導入支援事業等のいくつかの補助制度が設けられているが、都道府県により、都道府県負担分の予算措置が取れない等の事情から介護事業者が全く活用できない場合がある。政策効果の高く地域に偏りなく推進すべきものは、国が100%負担とするような特別枠、あるいは国が100%負担とする交付金制度を別途創設することをお願いしたい。また、国から各都道府県に対して、予算化を進めるよう、強力な指導をお願いしたい。

参考資料