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老施協ピンボード

介護・福祉業界の働きやすい未来へ向けて意見交換会を実施

2022.05 老施協 MONTHLY

POINT

  1. 慢性的な人材不足に、どのように対応していくか
  2. そのだ修光参議院議員を中心とした団体間での協力が必要

 今回は障がい者福祉研究所の足高代表にも参加いただき、高齢者介護に限らない、幅広い介護現場における意見交換会が実現した。慢性的な人材不足に関しては、介護従事者の給与水準が全産業平均より下回っているという根本問題の解決にさらに前進すべきである
ことのほか、介護支援専門員(ケアマネジャー)の地位や賃金のアップ、外国人技能実習生のうち、在留期間に制限がない特定技能2号に介護の分野も入れるべきといった具体的な意見が出た。さらにICTを活用することで必要人員の数を見直す、という抜本的方策も検討すべきでは、などさまざまな方向から事態を解決する案を、8つの団体の代表が忌憚なく述べ合う大変有意義な会となった。そのICTは業務効率化に貢献していると実感する一方、設備投資にかかる費用を小さな事業所では賄えない、高齢の介護従事者にも使いやすいシステムが欲しいなど、まだ課題も見えた。

 過去2回の介護報酬アップに寄与いただいた、そのだ議員への感謝とともに、次回改定では加算よりも基本報酬のアップを目指すべきであり、さらなる政治的アピールの場が必要であることを各代表が改めて認識。そして、そのだ議員への期待の言葉が、老健協の東会長をはじめとする各氏から出て、会は終了した。

意見交換会 出席者一覧(下段左より)

日本認知症グループホーム協会
江頭 瑞穂常務理事
全国老人福祉施設協議会
平石 朗会長
参議院議員
そのだ修光氏
全国老人保健施設協会
東 憲太郎会長
日本介護支援専門員連盟
藤岡 三之輔会長
全国老人福祉施設協議会
大山 知子副会長(司会)
日本在宅介護協会
森 信介会長
日本福祉用具供給協会
日本福祉用具供給事業者連盟
小野木 孝二理事長 会長
全国老人保健施設連盟
福嶋 啓祐委員長
障がい者福祉研究所
足高 慶宣代表
参議院会館の会議室に、介護8団体の代表が集結。老施協の大山副会長の司会により、各氏から忌憚ない(時には過激な?)意見が出て、認識の共有化に大いに役立った
老健協の東会長からは、そのだ議員が参議院当選後すぐに協会へあいさつに訪れ、団体の垣根を超えて介護現場の問題を解決する意欲に打たれた、という逸話を披露された

〈平石 朗会長による意見交換会の総括〉

老健協の東会長にはよくご指導いただいているのですが、介護業界は団体が多く、かつ、皆おとなし過ぎるという側面があります。今後は主張すべきところは主張する業界になっていかないと、介護の現場から人が去っていくことになる。そうした中で、こうして皆さんと意見を交わすことができたのは大変有意義であったと感じています。


撮影=桃井一至/取材・文=重信裕之