こころとからだ

こころの橋わたし

〈お悩み 17〉仲良しだったご利用者さんが亡くなり、ショックを受けてしまいました。 仕方ないことだとはわかっていても自分の無力感のようなものに苛まれます。

「介」という字には「間でとりもつ」「たすける」という意味があります。
尊いお仕事をされている皆さまのこころとこころをつなぐヒントになれば幸いです。

 

 

 

 

お悩み

仲良しだったご利用者さんが亡くなり、
ショックを受けてしまいました。
仕方ないことだとはわかっていても
自分の無力感のようなものに苛まれます。

 

妙慶

悲しみが残ることは、
あなたの人生を豊かに照らすご縁の証。
その方との出会いや思い出は
心の中で生き続けていきます。

 

 

 ようこそお便りくださいました。あなたがその方をどれだけ大切にして向き合ってこられたかが伝わってきます。人間は「いつかは死ぬ」と頭ではわかっていても、今まで目の前にいた方がいなくなるという事実は深い悲しみとして残ります。

 では悲しみが無い生き方が良いのでしょうか? それは不可能なことです。ですから悲しみを消すのではなく、その方は「阿弥陀仏のお浄土に還られた」と受け止めてほしいのです。煩悩をもって「娑婆」で生きている私たちからは離れてしまいましたが、仏になったご利用者さんに「お念仏申す」ことで、その方との出会いや思い出がこれからも心の中で生き続けていくのです。

 あなたは「いのちを支える仕事」をしています。きっと「少しでもサポートできたら」という寄り添いの気持ちで接してこられたのでしょう。そのお気持ちはご利用者さんにとって、どれほど安心できる救いとなったことでしょう。

 今の無力感を否定しないでください。ただの「別れ」で終わるのではなく、悲しみが残ることは、あなたの人生を豊かに照らすご縁の証だと気づけることが大切なのです。