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特集

科学的介護情報システム LIFEの上手な活用方法1 LIFE取り組みの流れ & 事業所フィードバック事例

 これまで施設の職員などの経験や知識だけに頼ることが多かった介護を、 データを活用した科学的な裏付けに基づく介護にするために、 2021年度から厚生労働省が運用を開始したLIFE。

 多くの施設が導入を果たしていますが、いまだ課題が多いことも否定できず、 その課題は大きく分けて2つ 入力の手間  フィードバックの仕方 に集約されます。

 そこで今回はLIFEを導入した施設が、本来の目的である介護の質の向上のためにいかに活用し、 さらに加算を取得すればよいのかについて、 特別養護老人ホーム部会 服部昭博部会長が解説します。

はじめに

 LIFEは、関連加算を算定しようと思えば思うほど、算定できなくなり、活用しようと思えば思うほど活用が難しく感じるようになる不思議なものです。これは、帳票を定期的に作成したり、エラーをチェックしたり、システムにインポートしたりと、新たに何らかの負担が生じるからです。この負担を軽減することを合わせて進めることが必要になります。

 フィードバックは気軽に見てみる、取りあえずやってみる! その時に、よくないところに目が行きがちになりますが、うちの施設のよいところも探してみようとポジティブに考えましょう。よくしようと思っているのですからネガティブに考えないで! 見つけた課題は何でもかんでも一度に解決しようとせずに、優先順位をつけて、そのためのエビデンスとしてLIFEデータを活かせばよいのです。

 今回は、こうしたLIFEとの上手な付き合い方を限られた誌面の中でわかりやすく伝え、LIFEに対する苦手意識や戸惑いを少しでも取り除き、それぞれの施設のケアの質を高めていただきたいと考えて特集を作りました。いつもより少し気軽な気持ちで、LIFEが切り拓く新しい介護のあり方をのぞき見てください。

 

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事業所フィードバック事例

 事業所フィードバックのデータは施設の一定の時期の傾向を示すものです。ケアに関する課題の洗い出しや、優先順位づけ、仮説を立てることに活用できます。

 事業所フィードバックを通して、自分たちの施設のウイークポイントがどこにあるかを数字で知り、ケアの方向性や指標を具体的にすることができます。さらに達成することを通して職員の自信が高まります。また自分たちの施設の強みを知ることで特色を出すことができます。

 

LIFEの事業所フィードバックを通して PDCAのサイクルを回しながら、ケアの質を上げることができる

Plan   現状を分析し課題を整理する目標を設定し達成に向けた計画を立てる

Do   計画に基づいて取り組みを実践する

Check   現状の評価を行う

Action   計画を見直す

 

 

利用者フィードバックは次回に続きます。