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特集

〜 会場チャット質問型座談会 〜 今こそ聞きたい施設長、 リーダーの道しるべ

 老施協を担う次世代の人材育成とネットワーク作りを主として動いているJS次世代委員会が提供した今回のプログラムは、全国の施設長・理事長の皆さんと来場者の皆さんをチャットでつないだ会場参加型座談会という初めての試み。皆さんが、運営や経営におけるさまざまな問題をいかに抱え、それを相談する場所を求めているかがわかり、こうしたニーズに応えることもJS次世代委員会の課題であることが改めて浮きぼりになりました。

 

小泉副会長の開会宣言でスタート

 今回の座談会は、堀之内康弘幹事の司会のもと、チャットで寄せられた会場の方々からの質問に、5人のメンバーが答えていくという形式で行われました。まず挨拶に立った小泉立志 全国老施協副会長の、何があっても「だからやろう」を口癖にしてほしい、という若きリーダーの方々への励ましの言葉を皮切りに、新しい座談会への挑戦がスタートしました。

チャット参加の意義について

 続いて、コーディネーターの原本一JS 次世代委員会 委員長より、 今回は全員がスマホを触りながらの座談会となることや開会宣言と同時に100名に近いチャット登録があったこと。今回、チャット参加という形式を選んだ背景には、ふだん声に出して発言することが苦手な方でも、気軽に質問を投げかけ、経営における様々な課題を抱える施設長や管理者、チームリーダーが登壇者や会場の参加者とつながり、課題解決の場とすることが目的であると発表されました。

予想を超えて寄せられた質問の数々

 最初の「施設長になって日が浅いのですが、成長するための心構えについてアドバイスいただけませんか」という質問には、座長を務めた原本委員長からは、自分が所属する法人の理念と自分自身のモットーを常に擦り合わせているという体験談が語られ、土井副委員長からは、施設長は施設の顔であり、施設の雰囲気に大きな影響を与えることなどが語られました。宜野座委員からは自分が施設長になったときは、自分の弱さをスタッフに話し、助けを要請したこと、山田委員からは、ぼやきや愚痴は施設内では言わず、次世代委員会など横のつながりのときに話すようにしていることが語られました。

 また、職員との面談についての質問に対して熊谷委員から、賞与の前に2回面談をしていることや、外国人職員との面談についてなど具体的な発言があると、 「対面での面談ですか」「一対一ですか」「理事長だとどのぐらいの人と面談するのですか」 などチャットでの質問が矢継ぎ早に送られました。

 その後も多くの質問が続きましたが、最後に「どうチャレンジしたらよいか」という質問には、上野委員から「失敗を恐れて何もしないことを、恐れないといけない」と、いつも職員に話しているエピソードが語られ、 JS次世代委員会らしい前向きなコメントで座談会は盛況のうちに終了しました。  土井副委員長からの、双方向のコミュニケーションで課題を共有できたことに意義があったという講評のとおり、意見を交わす場の必要性が再認識されるプログラムとなりました。

 

撮影=本田真康 取材・文=池田佳寿子