福祉施設SX
大山知子会長 新年のごあいさつ

あきらめずに声を上げ続ける姿勢が 少しずつ形になりはじめた2025年
昨年は政府要職者との接触を積極的に重ね、介護現場の実情を訴え続けてきました。石破内閣が骨太の方針を策定される前の重要な時期に、公定価格の見直しや賃金アップ、経済スライドに合わせた制度改革の必要性を総理に直接訴え、その後、高市総理と面談した際も、特に中山間地域における福祉施設や介護施設の経営悪化について、深い理解と認識を共有できました。本会からの発信が政府内での議論を深める一助となっていることが期待されます。介護業界への高い関心とご理解をいただいている関係議員の皆さまに改めて感謝申し上げます。
また、会員の継続的な協力も功を奏しました。今、まさに難局に面している状況ということでもありますが、これは組織として非常にうれしい変化であり、あきらめずになんとかしなければという姿勢が会員に浸透し、当事者としての責任を自覚した結果の賜物です。今年も個々の施設が地元で活動し、その声を全国老施協が集約して、あきらめることなく国に届けるというサンドイッチ方式での訴えかけを続けてまいります。会員の皆さまのご協力に改めて感謝を申し上げるとともに、更なるご支援をお願いできればと存じます。
現場の声を数字で示すために不可欠な 会員の皆さまのアンケート
食事は高齢者にとって最大の楽しみの一つです。だからこそ現場では、利用者が最後までおいしく食事をとれるように涙ぐましいやりくりをしています。しかし、その努力に見合う予算措置がなされているでしょうか。 食材の購入費等に対する定員1人あたり1.8万円の補助や令和8年度介護報酬改定(期中改定)での食費の基準費用額の引上げ(1日あたり100円)は、まだ十分とは言い難い状況です。
国への働きかけにおいて重要になるのがエビデンスの提示です。どれだけ困っているか、どのような状況で厳しいのか、だからこそ、このような予算措置や制度改正が必要なのかを論理的な流れで、短時間で明確に示すことが求められます。そこで極めて重要な役割を果たすのが会員施設へのアンケート調査です。相当数かつ正確なデータを用意できなければ、適切な予算措置も期待できません。
現場は人手不足で疲弊し、ご負担の大きい状況にあることは、十分承知しております。それでもなお、現場の実情を正確に届けるために、可能な範囲でご協力をお願いできましたら幸いです。それが声を上げ続けることにつながります。
「介護の品格」を守るために 働く人の品格とプライドを保てる対価を
国を支えてきた高齢者に、最期までその人らしく生きてほしいと介護業界ではよく語られます。私はそれを「介護の品格」と考えています。品格のある介護ができるということは、日本という国家の品格にもつながるのではないでしょうか。そしてそれは、介護現場で働く人が品格をもてなければ実現できません。現場を支えてくださっている方々が誇りとやりがいをもって働き続けられるようにするためには、その前提として、業務内容や責任に見合った適切な処遇が重要であると考えます。ですから基本報酬や基準費用額については、急速に変化する社会情勢に対応するため、3年に1度の改定サイクルの中間年においては、賃金上昇率や物価上昇率の変動によって改定する「スライド制」の仕組みの導入など、柔軟な制度設計が求められます。さらに条件付きの処遇改善加算という形ではなく、公定価格の基本報酬そのものを引き上げなければ、根本的な解決にはなりません。粘り強く交渉を重ね、品格も評価された報酬を得られるように引き続き訴え続けてまいります。
この仕事で得られる経験は、他では決して得られません。お金では測れない多くの財産を得て、人間として大きく成長できるのです。
皆さまの仕事や働き、思いや使命感が無駄にならないよう、しっかりと国に伝えながら、社会的認知と評価を高めていく活動を 続けてまいります。