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特集

地域共生社会の社会福祉法人 誰もが役割をもち支え合う地域を目指して PART.03 社会福祉法人 福成会 塚口福成園から 社会福祉法人 テンダー会 特別養護老人ホームらくらく苑

 

 「地域共生社会」とは、制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すと、厚生労働省は記しています。

 なかでも少子高齢化によって人口減少が進行している日本では、担い手の不足や、福祉ニーズの多様化が求められています。そこで今回は、誰もが支え合う共生社会の実現も念頭に、地域の人材を上手に活用している社会福祉法人を紹介いたします。

 

PART.03

社会福祉法人 福成会 塚口福成園から
社会福祉法人 テンダー会 特別養護老人ホームらくらく苑

同一法人ではない介護施設での就労

20年変わることなく続く 特別養護老人ホームとの雇用関係

 特別養護老人ホームらくらく苑さんとのお付き合いは、開設されたばかりの20年前にはじまりました。長い間仕事を任せていただいていることから、「この部分はお任せ」という信頼関係が形成されています。最近では、別館での清掃作業も追加で依頼されるようになりました。

らくらく苑と同じ清掃道具を購入し、 事前に練習を実施

 現在は、毎日6〜7名の塚口福成園の利用者に、スタッフ1名が必ず同伴して、トイレや洗面所、共有部分の清掃に伺っています。初めての作業の前には必ず自施設で研修を行い、たとえばらくらく苑さんでの清掃であれば、そちらで使っているのと同じ掃除用具や洗剤をそろえて、作業工程を練習してから訪問しています。

 高齢者施設での作業では、大声を出さないことや、仕事の指示にしっかり従うことなどが重要になるため、メンバーの選考にも十分配慮をしています。  

 

介護施設の入居者や職員の方からの 「ありがとう」の笑顔が就労者の励み

 らくらく苑さんの職員やご利用者には塚口福成園の利用者に話しかけてくれる人もいるようで、「今日はありがとうって言われたよ」とうれしそうに報告してくれることもあります。皆さんの笑顔が何よりの励みになっています。

 

地域社会に役立つ喜びを

障がいのある方々にも



 

地域共生社会を目指し 障がい者の所得を増やすために

 

 日本セルプセンターは働く障がい者の所得保障をすすめていくことを目的に2000年に設立されたNPO法人です。仕事を頼みたい方と社会福祉をつなぎ、「障がい者の仕事」をまとめるコーディネーターです。セルプセンターに加盟する施設の仕事はバラエティに富んでいますが、まじめな姿勢と常に向上をめざす精神は共通です。

 

依頼者の負担を極力軽減するための さまざまな制度活用やサポートを用意

 

 介護施設が障がい者を受け入れる際の特別な準備はいりません。施設外就労制度では職員1名と利用者7名で1ユニットを組み、障がい者施設の職員が必ず同行します。派遣先は障がい者に直接指示をせず職員を通じて業務を進める仕組みになっています。

 介護施設などでは、清掃、洗濯、厨房作業など多様な職種を提供可能です。

 派遣先の施設と障がい者とのマッチングはとても重要で、万一、合わなかった場合の人員変更の要望も承っているので、安心してご相談ください。

撮影=松浦幸之助/取材・文=池田佳寿子