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要支援・要介護リスク評価尺度と累積医療・介護費の関連に ついて
#要支援・要介護評価尺度 #リスク評価尺度
▶KDB システムと介護保険給付実績情報を用いたJAGES 追跡調査
名古屋市立大学は、要支援・要介護評価尺度のリスク点数が1点高いと累積医療・介護費が約5.7万円高いことを明らかにした。
高齢者の要介護認定発生を予測可能な要支援・要介護リスク評価尺度(リスク評価尺度)が開発され、ソーシャルインパクト・ボンド(SIB)の成果としての介護費削減額の試算に用いられている。
今回同大学では、平成28年10月に日本老年学的評価研究(JAGES)が愛知県武豊町で実施した要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者を対象とした全数調査をベースラインとして、国民健康保険団体連合会および自治体が保有するKDBシステム 被保険者の介入支援対象者一覧(栄養・重症化予防等)情報、介護保険給付実績情報、および介護保険料賦課情報に基づいて、平成29年4月1日から令和2年3月31日までの3年間の医療保険サービスおよび介護保険サービスの利用状況を把握。そのうち、リスク点数が算出不可であった人を除いた計5,213人(男性2,450人、女性2,763人)を分析対象として、リスク評価尺度の点数(リスク点数)とその後の3年間の累積医療・介護費の関連を解析した。
その結果、累積医療費はリスク点数が44.0点をピークに減少することが示され、累積介護費はリスク点数が8.6点を境に増大した。
結論として、両者を合わせた累積医療・介護費は直線的に増え、1点高いほど1人あたりの3年間の累積医療・介護費は約5.7万円(うち医療費4.73 万円、介護費0.96万円)高いことが示された。
今後、リスク評価尺度は、SIB 事業等における介護費削減額の試算に加え、医療・介護費削減額の試算にも用いられることが期待される。
(参考資料)