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速報(JS-Weekly)

トカラ列島近海地震を受けた介護保険対応:証明書の提示省略と報酬算定の柔軟運用

#トカラ列島近海を震源とする地震

▶被災地における介護サービス提供の継続確保へ向け、厚生労働省が周知依頼

 厚生労働省は7月3日、同日に発生した「トカラ列島近海を震源とする地震」により被災した介護保険利用者や事業者への対応について、全国の自治体に向けて3件の事務連絡を発出した。これは、災害時においても高齢者等への介護サービスが中断しないよう、柔軟な取扱いを認める内容になっている。

 まず「令和773日に発生したトカラ列島近海を震源とする地震に伴う 被災者に係る被保険者証の提示等について」では、鹿児島県の一部地域で災害救助法が適用されたことを踏まえ、被災者が保険証等を提示できない場合であっても、本人申告(氏名・住所・生年月日・負担割合)により、通常通りの介護サービスが受けられるようにすると明記。要介護認定の申請も、保険証がなくても市町村の判断で受理可能とされ、審査会が開催できない場合でも、暫定ケアプランによるサービス提供を容認する内容となっている。

 「トカラ列島近海を震源とする地震による災害に係る 介護報酬等の柔軟な取扱い(基準緩和等)について」では、より広範な介護報酬等の「基準緩和」や「柔軟な運用」について整理されている。たとえば、

 ・避難先市町村による要介護認定の代行

 ・一時的な避難に伴う施設利用者のサービス継続

 ・人員・設備基準を一時的に満たせない場合の加算の維持

 ・入浴施設が使用できない場合の加算措置

 ・ケアマネジャーが一時的に45件以上を担当しても減算を適用しない

 など、合計12項目にわたる柔軟な運用指針が具体的に示されている。

 地震などの災害時でも高齢者の暮らしや介護が途切れることのないよう、現場での実情に即した制度運用を可能にするための一連の対応となっている。

 「令和773日に発生したトカラ列島近海を震源とする地震により 被災した要介護高齢者等への対応について」では、当該地域の保険者に対して、避難対策や介護サービスの円滑な提案を求めており、事業所は定員超過減算、職員適用減算の適用除外とすることが示されている。

 また、サービスの利用者負担が困難な方については、市町村判断で利用者負担の減免が可能とされている。

(参考資料:https://www.roushikyo.or.jp/index.html?p=we-page-menu-1- 2&category=19325&key=21769&type=contents&subkey=590072