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地域と海外をつなぐ外国人介護人材確保の新戦略
#海外現地と自治体等の連携による外国人介護人材確保策に係る調査研究事業
▶自治体と現地機関の連携による受け入れ促進と定着支援の好事例から学ぶ
厚生労働省は6月12日、「海外現地と自治体等の連携による外国人介護人材確保策に係る調査研究事業」についての情報提供を発出した。本事業は、令和6年度老人保健健康増進等事業の一環として、外国人介護人材の確保と定着に関する自治体の取り組み状況を調査し、支援のあり方を整理したものである。
NTTデータ経営研究所は、全国の自治体に対するアンケートとヒアリングを通じて、協定(MOU、LOI)の締結や現地機関との連携状況、住まい支援、情報発信、支援センターの設置など、多様な取り組みの実態を調査した。その成果として作成された「対外発信資料」は、日本の介護制度や就労環境を海外現地にわかりやすく伝えるためのツールであり、日本語と英語の2言語に対応している。自治体の実情に応じてカスタマイズ可能なPPT形式で、写真や平易な表現が多用されている。
好事例としては、山形県の社会福祉法人がインドの送出機関との連携を通じて特定技能人材の受け入れを実現した取り組みが紹介されている。現地への視察や合同訪問、送出機関との直接交渉が進められた一方、教育の質や仲介機関との関係性に課題が残ることも明らかになった。また、同法人では家族ぐるみの受け入れを視野に、観光分野との連携による夫婦就労モデルも模索している。
住まい支援では、「外国人介護人材受け入れ施設等環境整備事業」や「外国人留学生への奨学金の給付等に係る支援事業」など、地域医療介護総合確保基金を活用した複数の制度が紹介されている。たとえば、月額3万円の家賃補助等が実施されており、既に多くの自治体で実績がある。
また、介護技能評価試験の重点地域での試験実施や、海外現地での求人説明会、日本語学校との連携による広報活動など、介護人材を確保するための多層的なアプローチも進んでいる。受け入れ施設に対する経費助成では、翻訳機の導入や多文化理解のための講習会費用、資格取得支援、メンタルヘルス支援まで幅広く対象となっている。
(参考資料:報告書)
https://www.nttdata-strategy.com/services/lifevalue/docs/r06_add3_01jigyohokokusho.pdf
(参考資料:対外発信資料「日本での新たなキャリアと可能性」)
https://www.nttdata-strategy.com/services/lifevalue/docs/r06_add3_02jigyohokokusho.pptx