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速報(JS-Weekly)

認知症施策の基本計画、大筋で了承

#認知症施策推進基本計画 #新しい認知症観

 政府は9月2日に開催された第6回認知症施策推進関係者会議で、「認知症施策推進基本計画」の案を提示し、大筋で了承を得た。この基本計画は、認知症基本法の理念に基づき、当事者やその家族の参画を重視する内容となっている。計画では、認知症の人を含む国民一人一人が「新しい認知症観」に立ち、認知症の人の声を出発点として施策を立案・推進すべきであるとの姿勢が強調されている。

 計画の文言修正については、会長の粟田主一氏(東京都健康長寿医療センター・認知症未来社会創造センター長)に一任され、今後、政府の認知症施策推進本部に報告される予定である。計画案は今秋の閣議で正式に決定される見通しである。

●新しい認知症観の定義と基本計画の内容

 新しい認知症観は、「認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができる」という考え方として定義されている。基本計画の実施期間は、令和2024年度から2029年度までの5年間を予定しており、以下の12項目の施策が推進される。 

・認知症の人に関する国民の理解の増進・認知症の人の社会参加の機会の確保・保健医療サービス・福祉サービスの提供体制の整備と相談体制の整備・研究等の推進などである。

 

●自治体向けの手引と重点目標

 政府が基本計画を決定した後、都道府県や市町村は「認知症施策推進計画」をまとめることが努力義務となる。この計画は、地域の実情や特性を生かし、認知症の人やその家族の声を起点として策定されるべきであると強調されている。また、政府は自治体が推進計画を作成する際の支援として、手引を準備している。

 基本計画には、2029年度までに達成すべき4つの重点目標も掲げられている。

1. 国民一人一人が「新しい認知症観」を理解している

2. 認知症の人の生活において、その意思が尊重されている

3. 認知症の人やその家族が他の人々と支え合いながら地域で安心して暮らせる

4. 国民が認知症に関する新たな知見や技術を活用できる

 これらの目標に対して、複数の評価指標(KPI)が設定され、進捗が評価される予定である。

 

(参考資料:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ninchisho_kankeisha/dai6/gijisidai.html