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速報(JS-Weekly)

協会けんぽ、2023年度決算で4662億円の黒字見込み

#保険料収入増加 #協会けんぽ

 全国健康保険協会(協会けんぽ)は7月5日、2023年度の医療分決算見込みを公表した。保険料収入などの総収入は11兆6104億円で、前年より2.7%増加した。一方、保険給付費などの総支出は11兆1442億円で、2.5%の増加にとどまった。その結果、単年度収支は4662億円の黒字となり、準備金残高は5兆2076億円に達した。

 主な収入源である保険料収入は、賃金(賞与を含む)の増加により10兆2998億円となり、2.6%増加した。また、国庫補助なども418億円増加し、1兆2874億円となった。

医療給付費の増加

 支出の中で大きな割合を占める保険給付費は7兆1512億円で、2.9%増加した。加入者数は1.1%減少し約3956万3000人となったが、1人当たりの医療給付費は4.1%増の約16万3000円に上昇したことが主な要因。また、後期高齢者支援金の増加を受けて拠出金などは3兆7224億円(3.8%増)となった。

今後の財政見通し

 協会けんぽは今後の財政見通しについても報告した。「団塊の世代が後期高齢者になることで後期高齢者支援金が短期的に急増し、その後も中長期的に高い負担額で推移することが見込まれる」と分析している。さらに、加入者の平均年齢の上昇や医療の高度化などにより、保険給付費の継続的な増加が予想され、財政状況は楽観を許さないとしている。

 これに対して、適切な支出管理と収入増加策を講じることで、持続可能な運営を目指すとしている。

 

参考資料:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g1/r6-7/24070501/