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〈厚生労働省〉
第233回介護給付費分科会、介護人材の処遇改善、人員配置基準などについて議論
JS-Weekly No.906
#処遇改善 #人員配置基準 #生産性向上 #介護報酬改定
厚生労働省は11月30日、「第233回社会保障審議会介護給付費分科会」を開催した。
今回も、前回に引き続き、令和6年度介護報酬改定に向けてサービス横断的事項について議論が行われた。協議題は以下の通り。
1.令和6年度介護報酬改定に向けて
- 介護人材の処遇改善等
- 人員配置基準等
- 介護現場の生産性向上の推進
- その他(外国人介護人材、地域の特性に応じたサービスの確保、 介護現場における安全性の確保、地域区分)
古谷参与、介護人材の処遇改善等、人員配置基準等、介護現場の生産性向上の推進、その他の議題について意見
本会から委員として出席した古谷参与は、以下の意見を述べた。
介護人材の処遇改善等について
処遇改善加算の一本化には賛成だが、実施にあたっては4段階の加算区分について、理解しやすく、事務手続きが複雑にならないよう、適切にご配慮いただきたい。
職場環境等要件は、新規分や変更部分について丁寧な説明をお願いしたい。
新加算Ⅳの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることについては丁寧な説明をお願いするとともに、加算額が下回る施設がでないよう、1年間の猶予期間中に、「介護職員処遇改善加算等の取得促進支援事業」等によって、希望するすべての施設が専門的な相談員(社会保険労務士など)の派遣を受けられるようにご配慮いただきたい。
人員配置基準等について
管理者の責務及び兼務範囲の明確化は重要と考えるが、「適時かつ適切に把握」といったあいまいな基準は、ローカルルールにつながることのないよう適切な対応をお願いする。
テレワークについては、介護・看護職員は、対応が難しいと考える一方で、介護支援専門員等の業務の一部においては差し支えないケースも考えられる。対象職種やその取扱をわかりやすくしていただきたい。
また、「書面掲示」規制の見直しについては、従来の「書面掲示」に加えとされているが、重要事項等の情報をウェブサイトに掲載・公表することのみで良いのではないか。
介護現場の生産性向上の推進について
業務負担の軽減及びケアの質の確保に資することから、生産性向上の取組に対して報酬上の評価を行う方向性については賛成する。しかし、委員会の設置については、小規模事業所の共同開催や拠点単位等、柔軟な対応を可能にし、負担を減らすべきである。
また、業務改善やケアの質の向上等に関する効果を示すデータの提供が加算の要件となっているが、それには客観性、公平性が担保できる一定の測定方法の検討が必要であり、一般の現場で対応できる内容にしていただきたい。
特定施設の柔軟化された人員配置基準については、ある程度の規模以上で、平均要介護度も2前後の特定施設においての検証データをもとに考えられており、特定施設全体を考えた内容ではない。
また、特定施設の検証データをエビデンスとして介護老人福祉施設にも適用することには反対である。特養と特定施設では利用者の特性等異なる点が多く、実証事業を行わないまま、当該特例的な柔軟化を適用することは困難である。人員基準の緩和は、利用者の安全確保やケアの質、職員の負担等の観点から実証を重ね、少なくとも複数の法人、複数の事業所において達成が可能であることを確認する必要があり、慎重に検討されるべきである。
なお、当会としては、現状の平均約2:1の人員配置の現状を踏まえ、全体に生産性の向上を図り、実態に即したあるべき配置基準に近づくよう政策を進めるべきだと考える。
外国人介護人材について
人員配置基準上の取扱いについては、外国人介護人材が日本人介護職員と同様に勤務している状況からも賛成だ。今後、外国人介護人材が増える状況にあることから、処遇等について適切に対応できるように検討を続けていただきたい。
地域の特性に応じたサービスの確保について
中山間地域等においては、必要な介護サービスの提供において、地域社会を支えるセーフティネットの役割を担う事業所の存続がポイントになる。通所介護において、豪雪地帯での対応が示されたが、そもそも特別地域加算、中山間地域の小規模事業所加算の対象とするよう是非とも再考をお願いする。
介護現場における安全性の確保について
事故情報を収集し内容を分析し、その後の対応策等に活かすことはケアの質の向上において重要だが、「事故報告」という名称から、報告内容がすべて事業所側の責任でおきたことというイメージを持たれることもある。報告すべき対象について、十分な検討をするとともに報告の背景の考察を行い、フィードバックすることで、事故防止対策への対応を進めていただきたい。
地域区分について
人件費割合の見直しについては、現状でも大きな乖離がある。今改定において、一定程度は是正することが必要。その上で、対応案の通り次期改定までに精査し見直すことが良いと考える。