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〈厚生労働省〉
第230回介護給付費分科会、令和6年度介護報酬改定に向けてサービス毎に議論
JS-Weekly No.903
#処遇改善 #複合型サービス #介護報酬改定
厚生労働省は11月6日、「第230回社会保障審議会介護給付費分科会」を開催した。今回も、前回に引き続き各サービスの各論部分についての議論が交わされた。
協議対象サービスは以下の通り
(1)各サービス
- 訪問介護・訪問入浴介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 居宅介護支援
(2)横断的事項
- 介護人材の処遇改善等
- 複合型サービス(訪問介護と通所介護の組み合わせ)
古谷参与、訪問介護・訪問入浴介護、訪問看護、居宅介護支援、介護人材の処遇改善等、複合型サービスについて意見
本会から委員として出席した古谷参与は以下の意見を述べた。
訪問介護・訪問入浴介護について
「看取り期にある者」の要件が各サービスで差があるため、「医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがないと診断した方」を各サービス統一した基準にすべき。
特定事業所加算の要件の見直しについてはヘルパーの不足や高齢化、人員不足によりサービス提供が出来ない等の状況にならない様、また、職員の負担を考慮した上で適切に対応の検討頂きたい。
中山間地域等においては、利用者へのサービス提供体制を継続的に構築している取組について評価をすべきと考えるが、何をもって評価するのか明確な基準・要件を設定すべき。
訪問看護について
訪問看護事業所と他の介護保険サービス事業所との連携に係る取組は重要だが、訪問看護と連携する他の介護保険サービス事業所側も評価するべき。
居宅介護支援について
入院時情報連携加算の日数に係る要件について、入院が勤務終了後の時間や、休業日となった場合は当日の対応は困難と思われ、ケアマネージャーの負担増にも配慮が必要。また、情報共有のシステムの推進を図るべき。
介護人材の処遇改善等について
処遇改善加算の一本化については、職種間賃金配分ルールについて柔軟な配分を認めることは重要だが、そもそもの加算算定基準となる対象職種を拡大して頂きたい。
また、処遇改善に係る新加算の考え方がすっきりしたことは評価出来るが、各階層の算定要件が現行と全く同じだと、一本化のメリットがあまり感じられない。既に多くの事業所がクリアしている要件は廃止するなど、一定の簡素化が出来ないか検討いただきたい。
計画書と報告書における前年度の賃金の総額の記載欄は、職員の採用、退職、異動などで単純に比較が出来ないため、再計算の際に大きな事務負担となっている。加算による賃金改善額が、加算額を上回る事の確認を行うだけで良いと考える。併せて、処遇改善加算等で基本給を昇給していた場合は、前年までの処遇改善額を新たな加算にも含むことを明確化する事で事務手続きを簡素化できる。
複合型サービスについて
登録定員の上限が29名以下である一方、通所介護の利用定員が一日に19名以上では多くの稼働が見込めない上、通所介護の利用定員19名に相当する職員配置が必要となるため、経営が成り立つ収益差が得られるのか懸念がある。健全な運営が維持できるような基準と報酬を確保していただきたい。