最新情報
次期介護報酬改定に向け、自民党・議員連盟でプラス改定を要望 また、トップセミナーを開催し、会員に一致団結を呼びかけ など
2023.10 老施協 MONTHLY
次期介護報酬改定に向け、自民党・議員連盟でプラス改定を要望
また、トップセミナーを開催し、会員に一致団結を呼びかけ
POINT
- 介護現場の危機的状況とプラス改定の必要性について国会議員の理解を求める
- 大山会長から全国老施協と各都道府県市老施協等が一丸となる要請活動を提案
全国老施協および各都道府県・指定都市老施協・デイ協が一致団結して、国会議員、行政、国民等に向けて、①介護現場の危機的な状況、②プラス改定の必要性を訴え、理解を求めることにより、令和6年度介護報酬改定をプラス改定に導くことを目的として、「令和6年度介護報酬改定に向けた要請活動」を行うとした。
この活動の一環として、全国老施協(会長:大山知子)は、令和5年9月19日、自民党「第20回 地域の介護と福祉を考える参議院議員の会(会長:末松信介参議院議員)」において行われたヒアリングに出席した。
末松会長のあいさつの後、厚生労働省老健局から介護分野の最近の動向について説明があった。説明にあたった間隆一郎老健局長は、社会保険・社会福祉・介護事業分野の入職超過率が令和4年に初めてマイナスに転じた(離職率が入職率を上回った)として、今後の介護人材の確保に危機感を示した。
ヒアリングに出席した大山会長は、人材の獲得ができなければ事業継続が危ぶまれる「保険あってサービスなし」の状況に陥ってはならないとした上で、地域の介護サービスを守り、高齢者の生活の安心を支え続けるためには大幅な介護報酬の増額が必要と強調した。さらに、賃金スライド・物価スライドの導入により今後も含めた異業種との給与格差の是正のための原資確保が必要と訴えた。
また、全国老施協は10月3日、「全国老施協トップセミナー」を開催した。本セミナーは、令和6年度介護報酬改定議論について動向を把握し、プラス改定に向けて会員が一致団結することが目的。
冒頭、開会挨拶に立った大山会長は、令和4年度は特養の6割以上が赤字経営というデータ等を示し、厳しい状況を打開するには「現場の皆様のエビデンスに基づいてしっかり地方からも声を上げることが必要」と全国の会員に、地元の国会議員への陳情・要望活動を要請した。
次に、そのだ修光常任理事が登壇。「コロナが終わったら物価高、これではやれない。今日のこの熱気を現職の国会議員に伝えなければ。しっかりとこれからみんな一緒になって戦いを続けていかなきゃならない」と力強く訴えた。
講演では、まず小泉立志副会長が、日本の現状や介護を取り巻く状況などを説明、これまでの介護給付費分科会における論点などを報告した。
続いて登壇した元厚生労働大臣の田村憲久衆議院議員は、医療・介護の財政状況、介護報酬で人件費率を上げるには何%のプラス改定が必要か、国の税収の現状など、具体的な数値を交えてわかりやすく説明。そして「これからが勝負。補正予算、補助金で人件費をまず取って来年の報酬につなげていく」「皆様とともに日本の介護を支えるためにしっかりと頑張っていきたい」と決意を述べた。
第4回正副会長・委員長会議(拡大)
職場環境づくり内閣総理大臣表彰受賞施設に学ぶ
POINT
- 参集型でのブロック大会が各地で順調に開催。残すは2ブロック
- 「介護職員の働きやすい職場環境づくり」受賞施設による特別講演
全国老施協は9月15日、「第4回正副会長・委員長会議(拡大)」をテレビ会議で開催した。大山知子会長は開会のあいさつで、9月13日、14日に開催された関東ブロック老人福祉施設研究総会をはじめ、各ブロックの大会が多くの参加者を得て開催されていることに触れ、関係者一同に感謝と慰労の言葉を述べた。
また、関東大震災から100年の今年を、「防災」について改めて考え、備える機会とした。「昨今の気候変動も含めて、どこで何が起こるか分からない現状にあって、われわれの仕事は、ご利用者の命を預かっている。今一度備えを見直し、確認することが必要」(大山会長)。
そのだ修光常任理事は、第2次岸田改造内閣において厚生労働大臣を務める武見敬三氏に対し、介護の現場の現状についてしっかりとアピールし、理解を求めることが重要だとした。そして、「直近の課題である補正予算の獲得、次期介護報酬改定に向け、待ったなしの局面に立っている」と強調した。
特別講演では、「令和5年度介護職員の働きやすい職場環境づくり」で内閣総理大臣表彰を受賞した、地域密着型特別養護老人ホームささづ苑かすがの常務理事・施設長の古柴政美氏が、評価されたポイントなどについて語った。現場の職員と共に課題を抽出し、積極的に取り組み、その成果を分析して他の事業所へデータ開示も行った。職員個々の考え方や家庭環境をくみ、定年および雇用継続年齢の引き上げや、夜勤をしない特定正職員の制度化などを行うことで、職員の満足度UP→モチベーションUPを果たしているという。
また、介護の効率化による余剰時間を新たなケアに回せることでケアの質がUPし、利用者との交流が増えるといった良い効果が出ているなどの報告もあった。
総務・組織委員会 |
|
---|---|
広報委員会 |
|
特別養護老人ホーム部会 |
|
養護老人ホーム部会 |
|
軽費老人ホーム・ケアハウス部会 |
|
デイサービスセンター部会 |
|
介護人材対策委員会 |
|
女性キャリアアップ推進部会 |
|
ロボット・ICT推進委員会 |
|
研修委員会 |
|
老施協総研運営委員会 |
|
大会・フォーラム委員会 |
|
JS次世代委員会 |
|
災害対策委員会 |
|
取材・文=太田瑞穂・見田裕一・渡辺啓道・早坂美佐緒(東京コア)