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〈財務省〉
財政制度等審議会、2024年度予算編成に向けた議論開始
JS-Weekly No.898
#診療報酬改定 #介護報酬改定 #物価上昇率
医療の単価が物価上昇率を上回る水準で急増
9月27日、財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会は、2024年度予算編成に向けた議論を始めた。
まず、診療報酬改定においては、医療の単価(1受診あたりの医療費)が、2019年度~2022年度にかけて年4.3%増と近年の物価上昇率を超えた水準で急増していることを課題として挙げた。これに対しては、医療経済実態調査の結果を見た上で、適正な単価を設定すべきと主張した。また、コロナ補助金等による内部留保の積み上がりも課題として挙げた。これに対しては、賃上げ原資等として活用する方策の検討を求めた。
次に、介護報酬改定においては、構造的な人手不足の下で経済成長を大きく上回るペースで増加する需要への対応を課題として挙げた。これに対しては、職場環境の改善・生産性の向上が不可欠であるとした。
診療報酬・介護報酬改定、引き上げに慎重意見
診療報酬改定・介護報酬改定における共通の課題として、事業者の収入増が現場の賃上げに確実につながる好循環の実現が課題であるとした。これに対しては、処遇改善加算の仕組みの活用など、処遇改善の実績に応じた配分や、費用負担・配分の見える化の強化が必要であるとした。また、構造的賃上げ・投資促進の取組みなどの経済政策との整合性も課題であるとした。これに対しては、現役世代の消費活性化による成長と分配の好循環の実現のため、配分のメリハリ付けを通じた国民負担増(現役世代の保険料負担増等)の最大限の抑制(国民への還元)が必要である。また、必要な医療・介護を提供しつつ、医療・介護の給付の伸びと国民所得(総報酬)の伸びを同水準にして、保険料率の上昇傾向に歯止めをかけることを目指すべきであるとした。
障害福祉サービス等報酬改定も含めた診療報酬・介護報酬改定の「トリプル改定」については、このように、引き上げについて慎重な意見が多かった。