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速報(JS-Weekly)

〈国立がん研究センター〉

令和3年の死亡率増加、東日本大震災以来の上昇

JS-Weekly No.894

#死亡率 #コロナ

令和3年の全死因年齢調整死亡率は前年比2.2%増加

 8月31日、国立がん研究センターは、人口動態統計を精査した結果、令和3年の全死因年齢調整死亡率(以下、死亡率という)は前年に比べて2.2%(男性2.1%、女性2.2%)の増加となったと発表した。前年と比較して増加したのは、東日本大震災の影響を受けた平成23年以来。

 前年比増の要因は、新型コロナウイルス感染症、老衰、循環器疾患(特に心疾患)の死亡率の増加にあると分析している。一方、日本人の死因第1位のがんによる死亡率は前年比0.6%減少した。

 令和3年の死亡率の増加に関する新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、感染拡大が直接的に影響しているほか、医療機関における診療体制の制限などにより、いわゆる不要不急の治療が先延ばしにされたことなどが多面的に影響しているとした。

 がんの死亡率については、令和2年、令和3年でも減少傾向が続いているが、コロナ禍での治療の先延ばしやがん検診の受診抑制などが顕在化するまでにはタイムラグがあるため、令和4年以降に増加する恐れもあるという。

参考資料