最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

アルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」専門部会で了承、近く正式承認される見通し

JS-Weekly No.892

#アルツハイマー病治療薬 #レカネマブ

年内にも実用化される見通し。アルツハイマー病治療薬における大きな前進

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会は8月21日、製薬大手エーザイ株式会社と米国の大手薬品メーカーバイオジェンが共同開発したアルツハイマー病(AD)治療薬「レカネマブ」(一般名、製品名はレケンビ®️)の薬事承認を了承した。これを受けて、厚労省は近日中に正式承認する予定。年内にも実用化される見通しで、国内初のアルツハイマー病の進行抑制が期待される薬剤が誕生する。投与対象は、早期のアルツハイマー病患者に限定。

 エーザイはレカネマブの製造販売に向け、今年1月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認を申請し、厚労省から「優先審査品目」に指定されていた。

 エーザイと米バイオジェンは、「アルツハイマー病治療薬における大きな前進だと受け止めている」と期待を寄せている。

高額療養費制度の活用で、 70歳以上の患者の窓口負担は、年14万4000円が上限

 今後は実用化に向けて、厚労省の諮問機関「中央社会保険医療協議会(中医協)」で、薬価の議論がスタートする見通し。

 レカネマブは、遺伝子組み換え技術を用いた抗体医薬。米国での販売価格は年2万6500ドル(約390万円)に設定されており、日本でも年間百万円単位の薬価になる可能性がある。しかし、高額療養費制度を活用することで、患者の窓口負担は、70歳以上の一般所得層(年収156万~約370万円)の場合は、年14万4000円が上限となる。