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速報(JS-Weekly)

〈世界保健機関〉

WHO、新型コロナの新変異株「EG.5(エリス)」を「注目すべき変異株」に指定

JS-Weekly No.891

#新型コロナ変異株 #エリス

新派生型「エリス」警戒対象だが大きな脅威ではない。引き続き各国データの調査・分析が必要

 世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルス感染症の新しい変異株「EG.5(エリス)」を「注目すべき変異株(VOI※)」に指定した。エリスは、XBB.1.9.2と呼ばれるオミクロンの下位変異株から出た新しい変異株。最近、米国で多数の感染事例が報告されたほか、韓国や中国、日本、カナダなどでも発生が認められている。WHOはエリスに対する危険性について、「2021年末から流行した他のオミクロン下位変異に比べて公衆保健に及ぼす追加的な危険はない」と分析した。

※VOIは、最も警戒度の高い「懸念される変異株(VOC)」より1段階低い位置付け。

 世界全体の感染例に占める割合は、6月19日~25日には7.6%だったが、7月17日~23日には17.4%にまで上昇。8月7日時点では51か国で確認されており、中でも中国(30.6%)、米国(18.4%)、韓国(14.1%)、日本(11.1%)の順に多い。

 テドロスWHO事務局長は、5月の緊急事態宣言解除以降、加盟各国からの新型コロナウイルス関連データの報告が十分になされていないとして、7月に行われた新型コロナの再検討委員会の報告を踏まえ、検査態勢の維持や、死者数やウイルスの遺伝子情報の報告継続などを加盟国に求める勧告(2025年4月末まで有効)を出した。また、ワクチン接種継続の必要性を呼びかけた。