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令和5-6年度会長選挙を実施 18年ぶりの会長選挙で大山知子氏が当選 ほか

2023.05 老施協 MONTHLY

令和5-6年度会長選挙を実施
18年ぶりの会長選挙で大山知子氏が当選

POINT

  1. 4本の柱を掲げて、専門職の団体としてのさらなる進化・深化を目指す
  2. 全国老施協の創設以来初の女性リーダーが誕生

 全国老施協は4月27日、令和5-6年度会長選挙の投開票を行った。今回の選挙は、3月23日に公示され、4月11日には立候補者2名の告示があった。立候補したのは、大山知子氏(栃木県:特別養護老人ホーム美渉)と、木村哲之氏(茨城県:特別養護老人ホーム双葉陽だまり館)。立候補者は、4月12日に代議員向けのライブ配信で所信表明演説を行った。その後、動画は全国老施協の会員限定ホームページで公開された。

 投票権を持つのは令和5-6年度代議員。開票立会人を選出した上で、選挙管理委員会が開票・集計を行った結果、大山氏が28票差で当選した。郵便投票や予備代議員による代理投票を含む投票総数は117票(有効票114、無効票3)で、各候補者の得票数は次の通り。

大山知子氏 71票
木村哲之氏 43票
会場での投票の様子。名前を呼ばれた代議員が一人ずつ設置されたブース内で用紙に記入し、投票箱へ
結果発表の後、握手をする両候補。平石朗会長を中心に
当選のあいさつをする大山氏。自慢の行動力で老施協をけん引
現体制を継承しながら掲げるポイントは“4本の柱”

 大山氏は、平石体制下で進められてきた組織改革や、全国老施協版介護ICT導入、デイサービス事業継続支援などの事業を継承し、専門職の組織として、さらなる進化・深化を目指す。掲げるポイントは、次の4つ。

  1. 介護報酬のプラス改定に向けた働き掛け
  2. 全国老施協改革の継続と進化
  3. 女性活躍の社会実現の促進
  4. 公益法人と政治団体それぞれの役割を明確化した上での連携

 まずは、目の前に迫る介護報酬改定でプラス改定を勝ち取ること。そこに照準を合わせて活動を進める。

新執行部候補者一覧(敬称略)
会長候補者 大山 知子 特別養護老人ホーム美渉(栃木県)
副会長候補者 小泉 立志 特別養護老人ホーム鶯園(岡山県)
田中 雅英 青葉台さくら苑(東京都)
瀬戸 雅嗣 特別養護老人ホーム厚別栄和荘(北海道)
石踊 紳一郎 特別養護老人ホーム青山荘(鹿児島県)
山田 淳子 特別養護老人ホームみなみ園(新潟県)

 新執行部は、6月20日の第49回総会・第91回理事会の承認をもって、正式に発足する。

早速メディアの取材を受ける大山氏

第1回正副会長・委員長会議(拡大)開催
新年度にあたり優先して当たるべき課題と方法論を確認

POINT

  1. 地方交付金の高齢者福祉・介護分野への確実な実施へ向けた要請活動を実施
  2. 次期介護報酬改定での最重要項目は「基本報酬・基準費用額の増額」

 全国老施協は4月19日、「第1回正副会長・委員長会議(拡大)」をテレビ会議で開催した。令和5年度初の開催である今回が現体制での最後の委員会となる。出席者は47名。開会にあたって、平石朗会長とそのだ修光常任理事からあいさつがあった。

 物価高騰への支援について、平石会長は「電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」の高齢者福祉・介護分野への確実な実施が不可欠として、早期の県・市議会への働き掛けを訴えた。令和4年度に実績を上げた、全国組織から自治体への要望と各県組織から自治体への陳情活動を併せて行う「サンドイッチ方式」で要請活動を展開する(下図:要望活動イメージ)。

 次の①②については4月末までに事務局より送付する。

①3団体※連名の要望書を全ての自治体に宛てて郵送。
※全国老施協、公益社団法人全国老人保健施設協会、公益社団法人日本認知症グループホーム協会

②各都道府県組織から関係自治体への陳情(全国老施協事務局が依頼文書と要望書ひな型を準備)。

 また、骨太の方針(6月)を見据えて高齢者施設等へのさらなる支援を要請するため、衆議院議員・田村憲久氏が会長を務める自由民主党社会保障制度調査会等に、物価・賃金高騰対策に関する要望書を提出する。

 そのほか、令和6年度介護報酬改定の議論では「基本報酬・基準費用額の増額」を最重要項目とする。

経営戦略室
  • アプリのダウンロード件数は、7696件(4月17日時点)。
総務・組織委員会
  • 令和3〜4年度の2035の会の活動を振り返り、報告書を取りまとめる。
広報委員会
  • 第16回介護作文・フォトコンテストの方針を検討。
特別養護老人ホーム部会
  • 令和4年度老健事業「小規模特養の経営状況に関する調査研究事業」調査報告書の最終調整。
  • 全国老施協・物価高騰に関する影響度調査の調査期間を4月末まで延長。
  • 令和3年度収支状況等調査の報告書等について4月末に再公開。
養護老人ホーム部会
  • 養護老人ホーム被措置者数等調査が終了。平均入所率は87.5%で前年より1.4%も減少(速報値)。今後、取りまとめを行い、回答率が100%だった17県を中心に各市町村の措置状況を明確化する。
軽費老人ホーム・ケアハウス部会
  • 事務費補助金改定等調査が終了。一般財源化以降に事務費補助金の改訂があったのは約30%(速報値)。各自治体ごとの加算の状況を一覧化して今後の取り組みに活用できるよう調査結果の取りまとめを行う。
デイサービスセンター部会
  • デイサービス事業継続等相談支援のプロセスレポートなどをHP等で情報提供(会員限定)。
  • デイサービス事業継続・経営改善セミナーをオンデマンドで配信中。
介護人材対策委員会
  • 令和5年度介護職イメージ向上発信事業ケアニンショートフィルムシーズン3は、10~15分の短編映画を製作する。
ロボット・ICT推進委員会
  • 4月1日よりICT導入モデル事業の実証施設における実地研修について、参加希望施設の募集を開始。
外国人介護人材対策部会
  • 全国老施協のホームページで情報を提供。
    ①外国人介護人材に関するアンケート調査結果
    ②会員が利用している監理団体・登録支援機関に関する情報
    ③外国人介護人材の学習教材のアンケート結果(介護福祉士国家試験合格に使用した書籍等)
研修委員会
  • 令和5年度研修事業について検討。
    ①令和5年度介護施設におけるメンタルヘルス研修
    ②介護報酬改定対応研修(仮)
  • 「誤嚥事故予防セミナー」「令和5年度介護施設における安全対策担当者養成研修」を開催。
老施協総研運営委員会
  • バーセルインデックス評価研修は、885人の申し込み(4月17日現在)、4月21日より配信開始。
  • 第10回全国老人ホーム基礎調査WTを5月中旬に開催予定。
大会・フォーラム委員会
  • 「第2回全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバルin岐阜~」について、全体の構成、開会式典や基調報告、特別記念報告などの実施プログラムを検討。
JS次世代委員会
  • 第4回21世紀委員会・第4回21世紀委員会代表者会議を開催。令和6年度介護報酬改定等を見据え委員間で現場課題等の意見交換や事業の進捗状況について情報を共有。(令和5年4月1日よりJS次世代委員会に名称変更)
災害対策委員会
  • 全国老施協DWAT関連事業の登録状況を報告。4月18日現在、1都28県2市より1119人が登録(新規登録:島根県10人、神奈川県14人)。
  • ホームページにて12月1日より公開している、令和4年度災害派遣福祉チーム(全国老施協DWAT)養成基礎研修は、再生数1271回(4月18日現在)。

令和4年度デイサービス事業継続等相談支援事業
プロセスレポートの送付と情報提供

POINT

  1. 全6回の集団コンサルと個別面談により、参加者・事業所にとって有益なものに
  2. 経営改善の7つのポイントは、チームで取り組む、対話となぜ、など

 全国老施協デイサービスセンター部会は昨年度、事業継続に課題を抱えている事業所を対象に、「デイサービス事業継続等相談支援」を展開した。同事業では、株式会社TRAPEの指導による全6回のコンサルティング(集団指導方式)と個別相談を経て、経営改善計画の策定からその第一歩を目指した。

 本事業で参加者は、自事業所の目指すデイサービスのビジョンやありたい姿を挙げたうえで、地域の人口動態や他事業所の数、現在の経営やケアの状況などから、具体的に取り組むべき課題、その課題の要因、優先すべき課題について、自事業所のメンバーとの対話を重ねながら経営改善計画の策定を完成させた。

 計画策定後の個別面談にて、参加者からは、「自事業所の立ち位置が分かった」「リーダーの意識が変わった」「方向性が明確になった」などの声が聞かれた。経営改善に向けた確かな手応えを得られたり、事業所内の風通しが良くなったりするなど、参加者・事業所にとって有益な内容となったようだ。

 また、本会会員事業所へ、本事業で計画を策定した20事業所を事例として、本会会員事業所へ取組内容をコンパクトに取りまとめた「プロセスレポート」を郵送にて送付しているほか、本会HPで「詳細情報」などの情報提供を行っている。こうした情報を各事業所の経営改善の取組にぜひとも活用いただきたい。

 情報提供の活用例として、「プロセスレポート」で類似する事業所などの事例の概要を確認し、「詳細情報」でその事例の事業所がどう考えて計画を策定したのか、計画策定までの検討過程などの情報を閲覧する方法が挙げられる。

「詳細情報」には地域の人口推計や経営状況の3ヵ年推移、課題(何か課題で、何を優先し、その原因は何か)、実際の経営改善計画など、個別具体的な情報が記載されているほか、本事業の「全体イメージと具体的な検討プロセス」や、実際に取り組むうえで重要となる「7つの経営改善ポイント」も本会ホームページに掲載されている。

7つの経営改善
  1. 経営者・ミドルリーダー・現場職員での対話
  2. 三位一体でのコミット
  3. 「なぜ?」の繰り返し
  4. 現場への権限の付与
  5. アジャイル(2~4週間程度)でのチャレンジ
  6. 答えは「外」にある
  7. 「三方よし」を志向する

掲載ページ

公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
令和4年度 デイサービス事業継続等相談支援 プロセスレポート等の情報提供

掲載箇所

本会トップページ >「役立つサービス」>「各サービス種別ごとの情報」>「デイサービス」に掲載
※本会トップページの「新着のお知らせ」の「新着のお知らせ」からもアクセスできます。


取材・文=見田裕一・早坂美佐緒(東京コア)