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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

第216回介護給付費分科会、テクノロジー活用等による生産性向上の取組に係る効果検証等について議論

JS-Weekly No.876

#介護報酬改定 #生産性向上 #新型コロナウイルス感染症

 厚生労働省は4月27日、「第216回社会保障審議会介護給付費分科会」を開催した。協議事項は下記の通り。

  1. テクノロジー活用等による生産性向上の取組に係る効果検証について
  2. 今後の新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて

古谷参与、「テクノロジー活用等による生産性向上の取組に係る効果検証」および「今後の新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱い」について意見

 全国老施協から委員として出席した古谷忠之参与は、下記の意見を述べた。

<テクノロジー活用等による生産性向上の取組に係る効果検証について>

テーマ① 見守り機器等を活用した夜間見守りについて

 実証結果より、見守り機器の導入で夜間時間帯の負担軽減に一定程度の効果があることや、生活の質の向上につながるケアの推進にもなる。
 しかし、地域密着型特養や小規模特養では、人員が少なく業務効率化がしづらい状況もあるため、様々な施設規模毎に機器を活用して業務効率を図るための基準の検討や、事例の蓄積が必要と考える。
 あわせて、現在、特養では日常生活継続支援加算等でテクノロジー導入による人員基準の緩和があるが、導入を推進するため、更なる加算要件としての人員基準の緩和や導入のための補助金の拡大について検討いただきたい。

テーマ② 介護ロボットの活用について

 移乗支援機器については、職員の負担軽減効果があると考えるが、定着しづらい面もあるため、定着支援についての好事例の共有等を進めることが必要である。
 介護業務支援に関しては、記録等の業務効率化が図られ、今後のLIFEの推進や介護DX化を進める上でも必要不可欠であるため、導入促進のための補助金を大幅に拡大する必要がある。

テーマ③ 介護助手の活用について

 介護助手の導入で、介護職の負担軽減につながると考えられるが、令和4年度の老健事業である「介護助手等の導入に関する実態及び適切な業務の設定等に関する調査研究事業」の今後の課題と提言であげられている6項目とともに、介護助手の適切な配置数また配置した場合の介護職員の配置基準、加算算定上の人員基準の扱いをどのようにするか等検討すべき課題が多く、こうした課題を含めしっかりと考えていただきたい。

テーマ④のうちSOMPOケア株式会社の実証結果について

 テクノロジーや介護補助職者の活用等により、介護職の業務時間の軽減になることには一定の成果があると考える一方、報告書に示されている職員 1 人あたり利用者数3.23:1は、介護職のみの数字で、実際必要となる介護補助職の数を加えた数値ではないためこの数字のみがピックアップされないよう留意されたい。また特定施設における実証の結果であることについても留意が必要である。

今回の実証結果も含めて、エビデンス・データをしっかり積み上げながら今後の報酬改定に向けた議論につなげるとともに、焦点を絞って積極的な導入を図るためのインセンティブ、補助金のあり方について検討する必要がある。

<今後の新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて>

今回の見直し案の方向性については賛成だが、高齢者施設においては、感染対策や感染者が出た場合の療養期間についても、現状と同じである。今後の感染状況に応じて迅速に取扱の検討をお願いしたい。 

※本協議事項において、他の委員からの異論がなかったため、資料にある今後の新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱い案のとおり進めていくこととなった。 

参考資料